手取り収入から、毎月の支払いと年払いに備えるお金を引く
最初の1か月は目安にし、支出が多い月や年払いの予定も見て調整する。
最初の1か月は、細かい節約を始める前に、収入と生活費を記録します。家計を管理しているのは妻ですが、私も毎月アプリで、スマホ代や保険料などの固定費と、収入と支出の差(収支)を確認しています。まずは、記録の抜けや、カード払いを2回数えていないかを確かめます。そのうえで、年払い用のお金も分けて考え、計算例に自分の数字を当てはめると、毎月残せそうな額と見直す支出を考えられます。
この記事でわかること
- 1か月の収入と生活費を記録し、書き忘れやカード払いの重複を確かめる。自分の口座どうしで移したお金を、支出に数えていないかも見る
- 税金や社会保険料などを引いたあとの収入(手取り)から、毎月の生活費や返済額、年払い用に残すお金を引き、毎月残せそうな額を見積もる。その月の収入と支出の差とは、分けて計算する
- 最初の1か月は目安にし、支出が多い月や年払いの支払日、将来の費用も見て予算を調整する
- 次回の支払いが心配なら1か月待たず、カード会社・銀行の明細で請求額と口座残高を確かめる
家計簿を1か月試す手順と、終わりに見る数字
1か月でそろえるのは、収入と生活費の記録です。その月にいくら残ったかを確かめたうえで、年払いへの備えも含めて、毎月残せそうな額を見積もります。
| 時点 | やること | 確認するもの |
|---|---|---|
| 始めるとき | 記録する方法と対象月、家計に含める口座・カード・現金払いを決める | 手書き・表計算・アプリの選び方 |
| 記録している間 | 現金などの未記録分を補い、明細の抜け・重複・分類を点検する | カード払いと口座引き落としの区別 |
| 1か月後 | 当月の収支を確認し、年払いを分けた毎月の予算を考える | 残せる額の計算例と見直す支出の選び方 |
1か月分だけでは、年払い・季節による支出の増減・教育費や老後資金の全体までは分かりません。最初の月は目安にし、支出の多い月や今後の予定も確かめながら予算を調整します。
直近の支払いに不安がある場合は、記録が1か月分たまるまで待たず、カード会社の次回請求額と、銀行の引き落とし口座の残高を先に確認してください。
手書き・表計算・アプリから記録する方法を選ぶ
書き込む手間を減らしたいか、項目を自分で決めたいかで、続けやすい方法は変わります。どの方法でも、対象月と記録に含める収入・支出をそろえます。
| 方法 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 手書きの家計簿 | 分け方を自由に決めたい人 | 自分で記入する手間がある |
| Excel・スプレッドシート | 表計算を使い慣れている人 | 入力と管理の手間がかかる |
| 家計簿アプリ (マネーフォワード MEの場合) | 記録を自動にしたい人 | 現金払いや自動で取り込めない支払いは、自分で入力するなどして補う |
入力の手間が負担なら、銀行やカードの利用明細を自動で取り込める家計簿アプリが向いています。毎日入力しなくても、あとから収入と支出をまとめて確認できます。まずは無料会員で試せます。無料・有料の違いや向き不向きは、「マネーフォワード MEの無料・有料の違い」にまとめています。
私が使っている家計簿アプリはマネーフォワード ME(プレミアムサービス)です。銀行口座とカードを連携し、明細を自動で取り込んでいます。
私が連携させて使ってきたのは銀行口座2つとカード1枚です。証券口座は、残高が見えると値動きが気になるため、家計簿には連携していません。家計の収支を知るために、すべての資産を連携する必要はありません。
私自身、お金の流れが見えていなかった頃は、貯金が減っているのではないかと漠然と不安でした。毎月の収支をざっくり把握するようになって、その不安がかなり軽くなりました。
現金払い・振替・カード払いの記録を点検する
給料が入った記録と生活費を払った記録を、同じ月の分でそろえます。自動で取り込めない支出は、自分で記録に加えます。連携した銀行やカード会社によって、取り込める情報や、アプリに表示される時期は異なります。
現金払いと、取り込まれていない明細を補う
現金払いなどは、自分で入力するか、レシートを読み取る機能で記録します。銀行やカードをアプリに連携していても、記録が遅れたり、エラーが出たりすることがあります。銀行やカード会社の明細と見比べ、記録の抜けや重複、食費などの分け方に明らかな間違いがないか確かめてください。
最初から1円単位で合わせなくても、大まかな収支を確かめられます。ただし、家計に含める支払いが抜けたままだと、残せる額を多く見積もってしまいます。
自分の口座間で移したお金は、振替として扱う
年払い用のお金を自分の口座から別の自分の口座へ移しても、買い物などで使ったわけではありません。家計簿では、こうしたお金の移動を「振替」として記録します。マネーフォワード MEでは、「振替」の記録は収入や支出の合計に含まれません。支出として数えられていたら、「振替」の設定を確認します。
カード利用額と、後日の口座引き落としを二重に数えない
カードで払った分は、生活費などの支出に含めます。その支払いを、後日の口座引き落としでもう一度支出に数えないようにします。次回請求額は、引き落とし口座の残高が足りるかを確認するために見ます。
カードの利用明細を記録する月と、銀行から引き落とされる月が異なることがあります。家計簿で支出が記録されていても、引き落としに使う口座のお金は別に確保する必要があります。次回請求額と残高は、カード会社・銀行の明細でも確かめます。
マネーフォワード MEのアプリ版サービスでは、「家計簿」画面で対象月の収入・支出・収支を確認できます。
年払いを分けて、毎月残せる額を見積もる
毎月いくら貯金するかは、手取り収入から、毎月の生活費や借りたお金の返済額、年払い用に残すお金を引いて考えます。最初の1か月に残った額だけで決めず、お金を多く使う月も考えて、いったん決めておきます。
その月の収入と支出の差を、毎月の予算と分けて考える
アプリには、年払いも含めて実際の支払額を記録します。以下の表は、毎月いくら貯金などに回せそうかを考えるための計算例です。アプリに表示される、その月の収入と支出の差とは分けて考えます。
毎月の予算を計算するときは、年払いで実際に払った額を、月払いの生活費と分けます。そのうえで、年払いの合計額を12で割った金額を「年払いへの備え」として引きます。年払いした金額と12で割った金額を、両方引かないようにします。
計算例に、自分の家計の数字を当てはめる
以下は、計算のしかたを示すために作った例です。この割合でお金を分けるのが理想という意味ではありません。
| 項目 | 1か月の金額 |
|---|---|
| 手取り収入 | 30万円 |
| 月払いの固定費・返済 | −15万円 |
| 食費・日用品など | −9万円 |
| 年払いへの備え | −3万円 |
| 貯金などに回せる額(仮) | 3万円 |
表の「貯金などに回せる額(仮)」の3万円は、この例で貯金に回せそうな額の目安です。教育費や老後資金に十分かどうかは、必要になる時期と金額、すでにある貯蓄と照らし合わせて確認します。
年払いする税金・保険料などの合計が36万円なら、毎月3万円を取り分ける計算です。
年払い用のお金を取り分け始める月は、次の支払日も見る
これから年払い用のお金をためる場合は、それぞれの支払日と、すでに用意できている金額を確認します。支払日までに取り分けられる回数が少ないと、年額を12で割った金額を毎月取り分けるだけでは足りないことがあります。足りない分は、毎月取り分ける額を増やすか、今ある貯金などから用意します。
取り分けた残高は、自由に使えるお金と分けて管理します。
年払い用のお金を別の口座へ毎月移して、生活費と分けておく方法もあります。
貯金に回すお金を、生活費と分けて確保する
仮決めした貯金額が給料日に貯金用の口座へ自動で移るようにすると、生活費に使う前に確保できます。生活費を使ったあとに残ったお金を貯める方法では、貯金額が月によってばらつきます。
銀行によっては、口座を増やさずに、1つの口座内でお金を用途ごとに分けられます。私はドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)の目的別口座を使い、生活費・生活防衛資金・翌月のカード支払い用・貯金・将来の教育費に分けています。生活防衛資金は、収入が途絶えたときなどに生活を続けるためのお金です。口座の分け方は「銀行とクレカの断捨離」に書きました。
1か月後の数字から、見直すところを選ぶ
今月だけの支出と、毎月続く赤字は分けて考えます。
| 1か月後の状況 | 次に確認すること |
|---|---|
| 現金払いや明細の記録に抜け・重複がある | 毎月いくら貯金するかを決める前に、記録の抜けや間違いを直す。記録の点検へ。 |
| 普段の生活費で赤字が続いている | スマホ代や保険料などの固定費、定期的に料金を払って使うサービス(サブスク)の契約、ローンの残りと毎月返す金額を確認する |
| 当月は黒字でも、年払いに備えていない | 税金・保険料・更新料などの年額と次の支払日をそろえ、毎月残せる額を計算し直す |
| 毎月は黒字でも、将来の費用が心配 | 教育費や老後資金が必要になる時期と金額、今ある貯蓄を照合する |
固定費は、支払額と契約内容を並べて見る
スマホ代・保険料・サブスク代など、毎月自動で出ていくお金を一覧にします。不要な契約や、利用状況に合っていないプランが分かれば、見直す項目を選べます。固定費を減らすと、その後の毎月の支払額にも反映されます。詳しくは「固定費を見直す順番」に書いています。
一時的な支出があった月は、その月だけで毎月の赤字とは判断できません。カードの次回請求額と口座残高、年払いへの備え、自由に使えるお金を分けて確かめ、次の月の予算へ反映します。
保険・スマホ・サブスクを見直した実例
固定費を一覧にしたら、どの項目の支払額を減らせるかが分かりました。実際に見直したのは次の3つです。
各項目を見直した時点の月額比較
保険料は夫婦分、スマホ代は私の1回線分で、いずれも通常月の目安です。スマホ代は、当時の記憶をもとにした、おおよその金額です。スマホ本体や追加サービスの料金は含まず、当時の明細も残っていません。
| 見直したもの | 月額の変化 |
|---|---|
| 保険 (夫婦分) | 月約4万円 → 月約2万円(約2万円減) |
| スマホ (私の1回線) | 月約6,000円 → 月約3,000円(約3,000円減) |
| サブスク | 月6,700円ほど → 月1,200円ほど(5,500円ほど減) |
団信は、死亡など契約で決められた場合に、住宅ローンの残りを保険金で返すしくみです。
私は、国などの保障制度や団信の内容を確認してから、亡くなったときの保障と、病気やけがに備える追加の保障(医療特約)を減らしました。また、保障とお金の積み立てを組み合わせた貯蓄型保険を解約しました。どの保障を残したかは、「保険料を見直す」に書いています。
家族4人のスマホ回線を、ドコモからahamoへ変更しました。
保険・スマホ・サブスクは、見直した時期と対象がそれぞれ異なります。3つの差額を、同じ時期の家計全体の削減実績として足すことはできません。サブスクは後から追加した契約もあり、現在の支払額は当時と異なります。
支出額が分かってから見直しを進めたので、家計への不安は小さくなりました。
赤字や支払いの不安が続くときの相談先
収入より支出が多い月が続いていたり、返済が難しくなっていたりする場合は、家計の記録をそろえるだけでは解決しません。住民税など、市区町村に納める税金の支払いが遅れているなら、市区町村の税の担当課にも相談できます。
私のいた窓口では、税金を払う本人から電話で相談を受けることがありました。毎月いくらなら払えるかを決め、何回かに分けて払うための用紙(納付書)を発行することもありました。
所得税など、国に納める税金を払うのが難しいときは、住んでいる地域などを担当する税務署の「徴収担当」に相談します。
借金の返済が難しいときは、金融庁の「多重債務相談窓口」の案内も参考になります。全国の財務局の相談窓口や、借金の返し方を見直す手続き(債務整理)の相談先がまとまっています。
眠れない、気分が落ち込むといった状態が続いているときは、厚生労働省のこころの相談窓口もあります。
よくある質問
家計簿は1か月だけでも意味がありますか?
収入と生活費の記録がそろっていれば、その月の収支を確かめられます。ただし、年払いの税金・保険料や季節による支出の増減まで、1か月の明細だけで把握できるとは限りません。年払いの予定と次の支払日を別に確かめ、最初の月の結果は目安として調整します。
家計簿をつけても不安が消えません。なぜですか?
収支が分かっても、赤字が続いている場合や、教育費など将来必要なお金が分からない場合は、不安が残ることがあります。赤字が続く場合は固定費や返済額を確認し、将来の支出が気になる場合は必要になる時期と金額を分けて考えます。
税金を払うのが難しいとき、住民税などは市区町村の税の担当課に相談できます。所得税など国に納める税金は、住んでいる地域などを担当する税務署の「徴収担当」が相談先です。
借金の返済が難しいときは、金融庁が案内する「多重債務相談窓口」もあります。
家計管理は何から始めればいいですか?
家計管理は、1か月分の収入と支出を見ることから始めます。そのうえで固定費を確認し、見直せそうな支出を探します。
細かい節約をしないとダメですか?
細かい節約より、固定費を見直すほうが支出を減らしやすく、翌月以降も支払額を抑えられます。スマホの料金プランを安いものへ変えたり、不要なサブスクを解約したりすると、一度の手続きで毎月の支払額を減らせます。
貯金がいくらあれば安心できますか?
収入が途絶えたときなどに生活を続けるためのお金(生活防衛資金)は、誰でも同じ額でよいわけではありません。まず、1か月の生活に最低限いくら必要かを計算し、収入がなくなったときに何か月分を用意しておくかを決めます。
私は生活費の半年分を生活防衛資金として確保しています。私の管理方法は、「投資をしないほうがいい人」に書きました。
節約だけでは足りない気がします。収入を増やすべきですか?
まず毎月の収支が赤字になっていないかを確認し、使っていないサブスクなど、生活への影響が少ない支出から見直します。支出を見直しても赤字が続く場合は、副業などで収入を増やす方法もあります。始め方は「副業はなにから始める?」にまとめています。
家計簿が続きません。どうすればいいですか?
手入力が負担で続かない場合は、家計簿アプリに口座とカードを連携する方法があります。まずは1か月分の明細から、大まかな収支をつかめます。現金払いなど、自動で取り込めない支出は、手入力やレシート読取で補います。
まとめ
1か月だけ試すなら、最初にそろえるのは給与の入金と生活費の支払いの明細です。記録に含める支払いを決め、現金払いの記録も補っておくと、その月にいくら入り、いくら使ったかを確かめられます。
※掲載内容は執筆時点(2026年10月)の情報です。各サービスの内容は変更される場合があります。ご利用前に公式情報をご確認ください。

