ネットショップの始め方|開設から集客・収益化まで
開店よりむずかしいのは、知ってもらうことです。
ネットショップは、極力在庫を持たずに小さく始められる副業です。ただ、作ったあとは、どうやって知ってもらうか(集客)を考える必要があります。お店を開いただけでは、お客さんは自動的には来てくれません。何を売るか、どこから仕入れるか、BASEとSTORESの選び方、開設の手順、集客までを扱います。アパレルを3年売って年商814万円までいった経験も交えて、全体像をつかめるようにまとめてあります。
この記事でわかること
- ネットショップは在庫リスクを抑えて小さく始められる
- 売れるかどうかは「集客」で決まる(作っただけでは売れない)
- BASEとSTORESはどちらも無料で開設できる(比較表あり)
- 何を売るか・どこから仕入れるか・収益化までの流れを解説
ネットショップは「小さく試せる」副業
何を売る?初心者向けのジャンル
「何を売ればいいか分からない」という人は多いです。迷うなら、在庫リスクが小さく、自分が続けやすいジャンルから選ぶのがおすすめです。代表的なのは次の4つです。
ハンドメイド・雑貨
アクセサリーや小物など。受注生産にすれば在庫を持たずに始められます。自分の「好き」を活かしやすいジャンルです。
オリジナルグッズ
プリントTシャツ・スマホケース・名入れギフトなど。小ロットで作れる業者を使えば、在庫リスクを抑えられます。
デジタル商品
イラスト・素材・テンプレート・電子書籍など。在庫ゼロ・原価ほぼゼロで、利益率が高いのが魅力です。
不用品・セレクト品
まずは家にある不用品や、好きな商品のセレクトから。「売れる感覚」をつかむ練習として始めやすいです。
ジャンルを決めたら、同じジャンルで売れているショップを見てみましょう。価格帯・写真・商品説明・売れ筋を研究すると、自分の見せ方のヒントが見つかります。
どこから仕入れる?利益の仕組み
商品の用意のしかたは、ジャンルによって変わります。初心者は、在庫を抱えないやり方から始めると、売れ残りのリスクを避けられます。
私がBASEでアパレルを扱っていたときも、最初から在庫を大量に持たず、動きを見ながら少しずつ仕入れる形にしていました。売上ではなく、仕入れと経費を差し引いたあとに手元へ残る利益を見ると、あとで慌てずにすみます。
- 自分で作る
ハンドメイドなど。原価が読めて、受注生産なら在庫ゼロ - オリジナル製作(小ロット)
プリント業者などに少量から発注 - 無在庫・受注生産
売れてから仕入れる・作るので在庫リスクなし - 卸サイト・問屋
NETSEAなどの卸から少量仕入れ - 不用品・セレクト:元手をかけずに「売る」を試す
利益の出方はシンプルです。利益 = 売上 −(原価+手数料+送料)。見落としやすいのが手数料と送料です。価格を決めるときは、決済手数料(次の章で比較)と送料を必ず見込んでおきましょう。ここを忘れると「売れたのに利益が出ない」ことになります。
BASEとSTORES、どっちで始める?
BASE(ベイス)とSTORES(ストアーズ)は、どちらも月額0円からショップを作れるサービスです。手数料や集客の仕組みが少しずつ違うので、比べてみます。
| 項目 | BASE | STORES |
|---|---|---|
| 月額(無料プラン) | 0円 | 0円 |
| 決済手数料(無料プラン) | 約6.6%+40円 | 5.5%〜 |
| 有料プラン | グロース 月16,580円〜/決済2.9% | スタンダード 月3,300円〜/決済3.6%〜 |
| 振込手数料 | 250円(2万円未満は事務手数料500円を加算) | 275円 |
| 無料ショップデザイン | 22種類 | 48種類 |
| 集客の特徴 | ショッピングアプリ・Pay ID連携で流入が期待できる | アプリはなし。WEAR連携・代引き対応 |
| 向いている人 | 固定費0円で続けたい/集客サポートも欲しい初心者 | 手数料を抑えたい/実店舗とも連携したい人 |
ざっくり言うと、売上が小さいうちは手数料の低い STORES がやや有利、ショッピングアプリやPay IDからの流入も活かしたいなら BASE、という違いです。とはいえ初心者は、どちらを選んでも大きくは変わりません。集客サポートまで考えると、初めてなら BASE から試すのが手軽です。
注意
手数料・プラン・特典は変わることがあります。最新の内容は、申し込み前に各サービスの公式サイトで確認してください。
どちらも無料で、最短その日のうちに開設できます。気になった方から、気軽に始めてみましょう。
ネットショップの始め方(手順)
開設の流れは、BASEもSTORESもほぼ同じです。むずかしい知識はいりません。
- 無料で登録するメールアドレスとパスワードでアカウントを作り、ショップを開設します。
- ショップの基本情報を設定ショップ名・ロゴ・紹介文を決めます。スマホでも見やすいデザインを選びます。
- 商品写真を準備する明るい場所で、複数の角度から撮影。質感やサイズ感が伝わる写真が、売れ行きを大きく左右します。
- 商品を登録するタイトルや説明文に、お客さんが検索しそうな言葉を入れておきます(SEO対策にもなります)。
- 決済とルールを設定する支払い方法を選び、特定商取引法に基づく表記・送料・返品ポリシーを明記します。信頼につながる部分です。
- 公開する確認できたら公開。あとは集客しながら、商品や見せ方を改善していきます。
ポイント
公開を待って集客を始めると、出遅れがちです。できれば公開「前」からSNSアカウントを作り、告知を始めておきます(くわしくは次の章)。
集客方法
ネットショップは、作っただけでは売れません。「全然売れない」という悩みの最大の原因は、商品でも価格でもなく、集客の準備不足です。広告にお金をかける前に、まずは無料でできる集客から始めましょう。
私も3年間、集客の入り口はInstagramでした。ただ、正直に書くと、無料の発信だけではフォロワーは数百人止まりでした。そこから伸びたのは、Instagram広告を使うようになってからです。それでも、無料の集客から始めるという順番は変わりません。誰に何を見せるかが固まっていない段階で広告を出しても、お金が流れていくだけです。
Instagram(最有力)
写真で商品を見せられて、ショップと相性抜群。公開前からフォロワーを集めて告知し、ハッシュタグやストーリーズで誘導します。
X(旧Twitter)
拡散とファンづくりに強い。制作の過程や入荷情報を発信して、買ってくれる人とのつながりを作ります。
検索(SEO)
商品名や説明に、お客さんが検索する言葉を入れておきます(例「ピアス 大ぶり 結婚式」)。検索からの流入には広告費がかかりません。
リピーター・口コミ
LINE公式やメルマガで再購入を促し、レビュー投稿でクーポンを配ると口コミが増えます。新規のお客さんより、リピーターのほうが売上は安定します。
広告(Instagram広告・Google広告)は、効率よくアクセスを増やせますが費用がかかります。初心者はまず無料の集客(SNS・検索・口コミ)で土台を作り、慣れてきてから広告を試すのが安全です。
集客はオープン前から始めます。お店ができてから動き出すと、最初の1個が売れるまでがとても長くなります。発信の始め方は SNSを始めてみる も参考にしてください。
収益化までのロードマップ
ネットショップも、すぐには売れません。集客をしながら、次の流れで少しずつ育てていきます。
- 開設して商品を数点並べる(1〜2週間)完璧を目指さず、まずは公開できる状態にします。
- SNSで発信・告知する(オープン前〜ずっと)見てくれる人・買ってくれそうな人を増やします。売れるかどうかはここで決まります。
- 最初の1個が売れる(数週間〜数か月)何がきっかけで売れたかを振り返り、写真や説明を改善します。
- リピーター・口コミで安定する(半年〜)レビューやリピートが増えると、売上が読めるようになっていきます。
続けるほど読めてくる
最初の1個が売れるまでがいちばん長く、心が折れやすい時期です。ここを越えるには、商品を増やすことよりも、集客を止めないことが先です。
つまずきやすい点と、続け方
ネットショップでつまずく人には、共通のパターンがあります。先に知っておくと避けやすくなります。
- 集客をしないまま、売れるのを待ってしまう(最も多い)
- 商品写真が暗い・説明が少なくて、魅力が伝わらない
- 在庫を抱えすぎて、売れ残りで損をする
- 手数料と送料を入れずに価格を決めて、利益が残らない
- 反応がなくて、数か月で更新が止まる
私も3年やるなかで、いくつか失敗しました。開業した初年度は約23万円の赤字でした。給与もあったため、申告すれば赤字を損益通算できることは分かっていました。それでも赤字だからと申告を後回しにして、その還付を逃しました。このときの顛末は別の記事にまとめています。もうひとつは、商標のことをよく知らないまま言葉を使ってしまい、権利を持つ相手から警告を受けたことです。どちらも、先に手を打っていれば避けられた話でした。
避けるためにできることは、次の3つです。最初は無在庫や少量で小さく始める。オープン前から集客しておく。写真と説明を少しずつ良くする。どれも一度にはできないので、できるところから直していきます。
もうひとつ、会社員なら始める前に就業規則の副業規定を確認しておきます。私もまず規則の原文を読んで確かめました。いきなり人に聞くより、先に就業規則を読むほうが角も立ちません。
コツコツ発信を続けられる人や、モノづくり・セレクトが好きな人に向いています。すぐにお金がほしい人や、発信が苦手な人は、ほかの副業(副業は何から始める?)も合わせて検討してみてください。
よくある質問
在庫を持たずに始められますか?
始められます。受注生産やデジタル商品、ハンドメイドの受注制作などなら在庫リスクを抑えられます。最初は在庫を持たない形から試すのがおすすめです。
販売手数料はどれくらいかかりますか?
無料プランでも、売れるたびに数%の手数料がかかるのが一般的です。売上が小さいうちは「月額無料・販売手数料型」のサービスのほうが有利です。
フリマアプリとネットショップはどう違いますか?
フリマは「単発で物を売る場」、ネットショップは「屋号を持って続ける場」です。リピーターを増やして長く育てたいなら、自分のショップが向いています。
開業の手続きは必要ですか?
継続的に販売するなら開業届の提出を検討しましょう。また、食品や中古品など商品によっては許可や資格が必要な場合があるため、扱う商品ごとに確認してください。
自宅の住所を、お客さんに知られたくないのですが
個人の場合、BASEもSTORESも、特定商取引法の表記の所在地・電話番号を非公開にする設定があります(サービス運営会社の住所が代わりに表示されます)。私も途中からこの設定を使っていました。ただし、購入者から請求があれば開示する必要があり、発送伝票には自分の住所を使います。
私自身、最初の副業はInstagramと連動したレディースアパレルのネットショップでした。3年間続けて、一番売れた年で売上814万円でした。実際の利益や経費は、決算書を公開した記事に書いています。在庫・発送・問い合わせ対応まで自分でやってみて、「小さく始めて、続けながら直す」のが現実的だと実感しています。
私は自治体の税務窓口で、確定申告を1000件以上受け付けてきました。だから、開業届を出すタイミングや、事業所得と雑所得のどちらで申告するかといった、初心者がつまずきやすい税金まわりも「受けてきた側」の目線で見ています。
まとめ
ネットショップは、自分の商品や作品を売る場所です。ただ、公開しただけでは売れません。何を・誰に売るのか、価格や発送、手数料を先に決めてから開きます。開く場所は、BASEかSTORESの2つから選びます。売るものが決まっているなら、まず1品を登録してみましょう。
※掲載内容は執筆時点(2026年7月)の情報です。料金・手数料・プラン・決済方法・入金サイクル等は変更される場合があります。販売には特定商取引法に基づく表記等が必要です。お申し込み前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
参考:国税庁「確定申告」

