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副業が住民税で会社にバレる仕組み。確定申告を受けてきた側が、普通徴収でもバレる4つの条件

副業の住民税で会社にバレる仕組み。普通徴収でもバレる条件まで書く記事のアイキャッチ

副業が住民税で会社にバレる仕組み

普通徴収でも会社にバレるのは、どんなときか。窓口で見てきた話です。

私は自治体の窓口で確定申告を1000件以上受け付け、住民税の担当もしていました。その中で「副業が会社にバレませんか」という質問を、何度も受けてきました。先に言っておくと、「住民税を普通徴収にすれば絶対にバレない」は嘘です。普通徴収は有効な手段ですが、それだけで安心しないようにしてください。普通徴収でもバレる条件がいくつかあります。

この記事でわかること

  • 「普通徴収にすれば絶対バレない」は嘘。反映漏れ・自治体の運用・大きな赤字・通知書の様式が原因で、普通徴収でもバレることがある
  • 会社にバレる決め手は住民税額。ただし通知書から分かるのは基本的に税額だけで、副業かどうかや内容までは分からない
  • 普通徴収にチェックしたうえで、4月ごろに自治体へ確認するのが確実

※副業の確定申告の全体像は受付1000件でわかった損する人・危ない人に書きました。ここでは「住民税で会社にバレる」部分を、もっと深く掘り下げます。

WHY

なぜ住民税で副業がバレるのか

会社員の住民税は、前年の所得をもとに計算され、翌年6月から毎月の給与天引き(特別徴収)で会社が納めます。副業の所得があって何も対策しないままだと、その分も上乗せされて給与天引きされます。

決め手は、会社に届く「特別徴収税額決定通知書」です。特別徴収税額決定通知書は、社員ごとの住民税額を一覧にした書類で、会社では経理・人事が扱います。経理や人事の人は、その社員の給料や家族構成から住民税額の「だいたいの目星」がついていて、しかも一覧で他の社員と見比べられます。だから、ひとりだけ税額が不自然に高いと、すぐに「おかしい」と気づきます。

ただし正確に知っておいてください。特別徴収税額決定通知書から分かるのは「住民税額」だけです。なぜ高いのか(副業か、暗号資産か、他の雑所得か)までは分かりません。「住民税が高い=副業」とは限らないわけです。とはいえ、不自然に高ければ、呼び出されて確認されることは起こり得ます。

NOTICE

特別徴収税額決定通知書には何が載っているのか

「特別徴収税額決定通知書」には、従業員の住所・氏名のほかに、毎月の給与から天引きする税額が載っています。6月から始まり、翌年5月までの毎月の税額です。基本は年額を12等分しますが、きれいに割り切れないときは、最初の6月を少し多くして調整します。

(住民税はボーナスからは引かれません。ボーナスから引かれるのは社会保険料・所得税です(子ども・子育て支援金は健康保険料に上乗せして徴収されます)。)

もう一つ注意したいのが、社員個人あての通知書です。今はほとんどの自治体が中身の見えない圧着ハガキ式で送りますが、中には中身がすべて見える様式で通知してくる自治体もあります。

本人あての通知書には「主たる給与以外の合算所得区分」という欄があり、給与以外の所得があると該当の区分に*印が付きます。中身が見える様式だと、税額だけでなく「給与以外の所得がある」ことまで見える、ということです。

なお、令和6年度からは、会社がeLTAX経由の電子データで通知を受け取る方式も始まっています。この場合、本人あての通知はパスワード付きのデータで配られ、会社の担当者は中身を開かずに本人へ渡す仕組みです。様式の差が問題になるのは、紙で配られる場合です。

HOW TO

バレを防ぐ手続き=普通徴収(自分で納付)

避けるための手続きが、住民税を「自分で納付(普通徴収)」にすることです。確定申告書の第二表「住民税に関する事項」で「自分で納付」を選びます。ここにチェックを入れると、副業分の住民税は会社を通さず、自分に納付書が届いて自分で納める形になります。本業分は今までどおり会社が天引きし、副業分だけが切り離されるイメージです。

なお、紙の申告はチェックの読み取り漏れが起きやすいので、会計ソフトで申告書を作って電子申告(e-Tax)にすると、普通徴収の選択も含めてミスが減ります。私も使っています。

迷ったら、まずはfreeeから。簿記をさわったことがある人はマネーフォワード クラウドにすると使いやすいです。

TRAPS

普通徴収でも「バレる」4つのパターン

ここが、確定申告を1000件以上受け付けて、住民税を課税してきた側として一番伝えたいことです。チェックを入れたから絶対大丈夫、ではありません。

  • 1. チェックしたのに反映されないことがある
    特に紙の確定申告です。紙はOCR(画像をスキャンして取り込む仕組み)でデータ化されますが、画像の粗さなどでチェックが読み取られず漏れることがあります。担当者が課税情報を何度も修正・追加する中で、人為的ミスで漏れる可能性も十分あります。
  • 2. 自治体によっては普通徴収にできない
    私のいた自治体は「自分で納付」にチェックがあれば普通徴収にする運用でしたが、できない自治体もあると聞いています。お住まいの自治体の運用は確認したほうが安全です。
  • 3. 大きな赤字だと、逆にバレることがある
    少額で税額に大きな変化がなければ気づかれません。ですが事業所得が大きくマイナス(たとえば−100万円)になると、給与所得と合算したときに住民税額が「下がる」ことがあります。すると「この人だけ税額が低い」と気づかれる可能性があります。高くてもバレ、極端に低くてもバレうる、ということです。赤字の年に申告するとどうなるか(還付と繰越し)は、開業1年目の赤字23万円を、申告せずに捨てた話に書いています。
  • 4. 個人あて通知書の様式
    社員個人あてに届く住民税の通知書を、中身がすべて見える様式で送る自治体があります。その紙は会社の担当者が本人に配るため、渡すときに内訳が目に触れることがあります。

ここまで4つ挙げましたが、脅かすつもりはありません。普通徴収にチェックして、4月ごろに自治体へ確認しておけば、副業分の住民税はきちんと切り離されます。その手順を踏んだ多くの人は、問題なく分かれています。ここに挙げたのは、チェックだけで安心して確認を省くと、すり抜けることがあるという話です。

だからこそ、普通徴収にチェックしたうえで、4月ごろに自治体へ確認しておきましょう。

INCOME TYPE

アルバイトの掛け持ち(ダブルワーク)は普通徴収にできない

普通徴収にできるかは、副業の所得の種類で分かれます。分けられるのは事業所得・雑所得(ネットショップ・せどり・ライバーなど)の場合です。(暗号資産の利益も雑所得にあたり、住民税の対象です。取引所の選び方は暗号資産はどうなのかに書いています。)一方、副業が「給与」(アルバイトの掛け持ち=ダブルワーク)の場合は、本業の給与と単純に合算されるので、普通徴収に分けられません。だからダブルワークは、会社に気づかれる可能性が高いです。以前は、希望があれば副業の給与分だけを普通徴収にする自治体も一部ありましたが、この取り扱いは終わりつつあります(自治体により令和7〜9年度で順次終了。給与の住民税は特別徴収で徴収する、と地方税法で定められているためです)。掛け持ちの申告がいくらから必要かは、ダブルワークの確定申告に書きました。

所得区分ごとの確定申告のやり方は副業の確定申告の記事に書いています。

TIMELINE

住民税はいつ決まり、いつ会社に届くのか

「なぜ4月ごろの確認なのか」は、時系列で分かります。確定申告はまず税務署に送られ、データ化されて自治体に降りてきます。自治体は確定申告書だけでなく、さまざまな資料を集めて精査したうえで住民税を決定します。この過程に時間がかかるので、税額が固まるのが4月の中旬ごろです。

  • 確定申告:2〜3月
  • 自治体での住民税の算定:〜4〜5月
  • 会社への通知:5月の中旬ごろ
  • 給与からの天引き開始:6月の給与から、翌年5月まで

「自分で納付」が反映されたかは、4月中旬以降でないと確定しません。だからその時期に確認するのが確実です。

確認先は、その年の1月1日時点で住んでいた市区町村の住民税担当課です(市民税課・税務課など、名前は自治体によって違います)。電話で「確定申告で住民税を自分で納付にしたが、副業分は普通徴収になっているか」と聞くだけです。本人確認のため、氏名・住所・生年月日を聞かれます。

DECLARE

住民税の申告だけが必要なケース

抜けやすい点です。所得税の確定申告が不要(副業の所得が20万円以下)でも、住民税の申告は必要です。自治体としては「1円でも利益があれば住民税の申告を」と案内しています。ただ、住民税の申告だけを出している人は多くない印象です。所得税の申告が要らない場合でも、住民税の申告は忘れないでください。

申告先は、その年の1月1日時点で住んでいた市区町村です。時期は所得税の確定申告と同じ2月中旬〜3月15日ごろで、様式(住民税申告書)は市区町村の窓口かサイトで手に入ります。住民税の申告書にも納付方法を選ぶ欄があるので、ここでも「自分で納付」を選べます。

NOTE

税のバレと、就業規則の副業禁止は別の話

住民税で会社に知られにくくする手続きをしても、それは税のうえの話です。勤め先の就業規則で副業が禁止・許可制なら、それに反するリスクは別に残ります。税の手続きと会社のルールは、分けて考えてください。

FAQ

よくある質問

普通徴収にすれば絶対バレない?

いいえ。反映漏れ(特に紙の申告)、自治体が普通徴収にできない運用、大きな赤字で税額が下がる、個人あて通知の様式など、バレうる要因があります。4月ごろに自治体へ確認しましょう。

副業の「内容」までバレますか?

いいえ。会社側に届く通知書から分かるのは住民税額だけで、その理由までは分かりません。ただし不自然に高い・低いと、確認されることはあります。

住民税が変わらなければバレませんか?

副業が少額で税額に変化がなければ気づかれにくいです。ただし大きな赤字だと逆に税額が下がってバレることがあります。

いつバレる可能性がありますか?

会社への通知が5月の中旬ごろ、給与からの天引きが6月から始まります。気づかれるとすればこの時期です。

アルバイトの掛け持ちでも普通徴収にできますか?

いいえ。給与は本業と合算されるので、普通徴収に分けられません。

会社員が開業届を出すと会社にバレますか?

開業届そのものが会社に伝わることはありません。提出先は税務署で、会社には通知されないからです。会社に伝わるとすれば、あくまで副業の所得が住民税額を動かしたときです。開業届を出したかどうかではなく、普通徴収にしているかどうかが分かれ目になります。

SUMMARY

まとめ

副業が会社にバレる経路の多くは住民税で、決め手は税額です。普通徴収(自分で納付)は有効ですが、「チェックすれば絶対大丈夫」ではありません。反映漏れ、自治体の運用、大きな赤字、通知書の様式が原因で、普通徴収でも会社に知られることがあります。普通徴収にチェックしたうえで、4月ごろに自治体へ確認する。これでリスクを軽減できます。

普通徴収への切り替えは、確定申告書の「住民税に関する事項」で選びます。申告書の作成から電子申告までは会計ソフトでできます。私はfreeeで申告してきました。

※この記事は一般的な内容と私の実務経験にもとづいています。制度や金額は執筆時点(2026年7月)の情報です。個別の判断は、税理士やお住まいの市区町村にご確認ください。

参考:国税庁門真市「2か所以上の給与所得がある場合の住民税の徴収方法」

この記事を書いた人

たっくー

たっくー

元税務担当(確定申告受付1,000件超)/投資14年

元・自治体職員。税務の窓口で確定申告を1,000件超、受け付けてきました。今は会社員で、副業(ネットショップ・ブログ/一番売れた年で814万円)と投資14年の実体験があります。「受けてきた側」の視点で、副業とお金のリアルを書いています。

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