行き着いたのは、信託報酬0.1%前後のインデックスファンド
信託報酬が低くても、純資産総額が小さいと運用が途中で終わる商品もある。
私は最初、米国の高配当株を含む個別株など、いろいろ試しました。保有銘柄が少なく、投資先を分散しにくいと感じたため、個別株の売買をやめました。投資を始めてから14年がたち、いまは全世界株とS&P500のインデックスファンドを保有し続けています。
この記事でわかること
- 投資信託は人気ランキングや過去の利回りでなく「中身」で選ぶ
- 中身(投資対象・運用方法)→信託報酬→リスクの順に見て候補を絞る
- 目論見書で、純資産総額と分配金の方針まで確かめる
- NISAで選ぶときも確認する項目は同じ。ただし枠ごとに対象外の商品がある
- 生活費と分けた余裕資金で、長く持てる商品を選ぶ
選ぶ前に決めること
商品を見る前に、投資の目的を整理しておくと選びやすくなります。投資の目的を決めないまま商品を探すと、ランキングや短期の成績に流されやすくなります。
確認しておきたいのは、投資の目的、お金を使う時期、毎月出せる金額の3つです。近いうちに使う予定のお金を投資すると、商品の価格が下がっていても、使う時期には売ることになります。毎月の投資額は、損失が出ても生活費に手をつけずに済む範囲が目安になります。
NISAで買うのか、課税口座で買うのかも先に決めます。NISAには対象外の商品もあるので、NISA口座か課税口座かを決めれば、商品の候補を絞れます。課税口座で買う場合は、利益に約20%(20.315%)の税金がかかります。
何に投資しているか・運用方法を見る
投資信託の値動きは中身によって変わります。選ぶときは、その商品がどの資産(国内外の株式・債券・REITなど)に投資しているのか、インデックス型かアクティブ型かを必ず見ておきます。
| 運用方法 | ねらい | 信託報酬 | 中身の分かりやすさ |
|---|---|---|---|
| インデックス型 | 指数と同じ値動きをめざす | 低い(年0.1%前後の商品もある) | 連動する指数を見れば分かる |
| アクティブ型 | 指数を上回る成績をめざす | 高め(商品による差が大きい) | 運用方針を読んで確かめる |
信託報酬は、指数に連動するタイプのほうが低く抑えられています。資産クラスや運用方法の違いは「投資信託とは」にまとめました。商品を選ぶ基準は、投資対象や運用方法を理解できるかどうかです。
1本に絞るまでの流れ
候補を並べて、コストも比べる
手数料は信託報酬で比べる
同じように見える商品でも、手数料は違います。保有期間が長くなるほど、支払う信託報酬の差が大きくなります。たとえば残高が1年を通して100万円なら、信託報酬0.1%は年1,000円、1%は年1万円です。運用がうまくいってもいかなくても、信託報酬は残高に対して毎年かかります。比べるときは信託報酬を見て、料率の低い商品を選びます。
総経費率が公表されている商品では、信託報酬以外の費用まで含めた率を見ます。ただし、売買委託手数料や有価証券取引税など、総経費率に含まれない費用もあります。実際にかかった額は運用報告書の「1万口当たりの費用明細」で分かります。インデックス型でも総経費率は商品ごとに異なります。年0.1%前後という水準は公的な基準ではなく、私が低コストの目安として使っている数字です。
購入時手数料や信託財産留保額など、手数料の種類は「投資信託とは」にまとめました。
リスクを知っておく
元本が保証される商品はなく、投資対象によって値動きの大きさも違います。購入する商品がどのリスクの影響を受けるか確認してください。
- 株式が中心の商品なら、価格変動と為替変動(海外資産を含む場合)のリスク
- 債券を組み入れた商品なら、金利変動と信用のリスク
- 新興国や売買の少ない資産を含む商品なら、流動性とカントリーのリスク
6つのリスクについては「投資信託とは」で説明しています。
目論見書で最終確認する
買う前には、投資信託の説明書である目論見書を見ます。この資料は、ファンドの目的・特色、投資のリスク、運用実績、手続・手数料等の4項目で構成され、中身・手数料・リスクをまとめて確かめられます(目論見書の解説)。
目論見書では、純資産総額と分配金の方針も確認できます。純資産総額が極端に小さい商品は、繰上償還によって運用が途中で終わることがあります。また、分配金は元本を取り崩して支払われる場合もあります。私が候補に残すのは、純資産総額が数十億円以上あり、最近も増えている商品です。ただし純資産総額は相場の上昇でも増えるので、資金の流入が続いているかどうかも見ます。
売るときの条件も買う前に見ておきます。多くの投資信託では、換金の申込日から4営業日目以降に代金が支払われます。商品によっては、一定期間は解約できない「クローズド期間」が設けられていることもあります(資産運用業協会「換金の種類と手続き」)。
外国の資産に投資する商品なら、為替ヘッジの有無も確認します。目論見書や約款に為替ヘッジを行うとの記載があれば「あり」、記載がなければ「なし」と判断します(資産運用業協会「商品分類に関する指針」)。
商品ページで確認する3つの項目
目論見書を開く前に、この3つで候補を絞れます
NISAで選ぶときの注意点
NISAで投資信託を選ぶ場合も、確認する項目は同じです。非課税だからといって、どの商品でもよいわけではありません。つみたて投資枠は一定の要件を満たした投資信託などが対象で、成長投資枠は上場株式やETFも対象です(金融庁「NISA特設ウェブサイト」)。ただし、どちらにも対象外の商品があります。枠ごとの違いは「NISAを知る」に書いています。
注意
制度や対象商品は変わる場合があるため、最新情報は金融庁や証券会社の公式サイトでも確認できます。
投資信託を選ぶ順番と最終チェック
迷ったときは、次の順番で進めます。
- 目的と使うお金を決める投資の目的、使う時期、毎月の金額を先に書き出します。毎月の投資額は、生活費とは別に用意した余裕資金の範囲で考えます。
- 中身を見る株式・債券・REITなど、何に投資しているかと、インデックス型かアクティブ型かを確かめます。
- 手数料を比べる同じ指数に連動する商品なら、信託報酬の低いほうを選びます。
- リスクを知っておく価格変動・為替変動・金利変動など、商品の値動きに影響する要因を確認します。
- 目論見書を読む特色・リスク・手数料・分配方針を確かめます。
- NISA対象かを見る最初に決めた口座で買えるかを確認します。
順番どおりに確認したら、買う前に次の4つを見ておきます。
- 生活費とは別の資金で買える
- 元本割れしても家賃や請求を払える
- 中身と費用が分かっている
- 長く持ち続けられそうだ
中身や費用を十分に理解できない商品は、無理に購入する必要はありません。
個別株を頻繁に売り買いしていた時期は、値動きが気になって相場を調べる時間が増え、精神的な負担もありました。インデックスファンドの積立に変えてからは、値動きを確認する時間も回数も減りました。
「何を選べばいいか分からない」ときは、複数の銘柄に分散投資する低コストのインデックスファンドを少額から積み立てる方法もあります。価格が変動して元本割れすることもあるため、買うかどうかは自分の目的とリスク許容度をもとに判断します。
証券会社を1社にまとめると、管理はしやすくなります。ドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)や三井住友カード(NL)を使っている人はSBI証券、楽天銀行や楽天カードを使っている人は楽天証券が候補になります。私はSBI証券を使っています。比べた結果は「証券会社を選ぶ」にまとめました。
よくある質問
投資信託は何本持てばいいですか?
本数に決まりはありません。私は全世界株と米国株のインデックスファンドを半分ずつ、2本持っています。全世界株を選んでいるのは、この先アメリカの比重が下がっても、指数の中で銘柄が入れ替わっていくと考えているからです。株式100%の商品は、何本持っても債券やREITを組み入れません。本数を増やすより、低コストの商品を長く持つほうが管理しやすい場合もあります。
全世界株式と米国株式はどちらがいいですか?
どちらも長期積立の定番ですが、どの地域を投資対象に含めるかによって選ぶ商品が変わります。世界全体に幅広く投資したいなら全世界型、米国の成長に期待するなら米国型です。両方買うと、中身はかなり重複します。
ランキング上位の商品を買えば安心ですか?
ランキングは一時的な人気や直近の成績を反映しがちです。長期の積立では、信託報酬、投資先の広がり、純資産総額を比べて選びます。
一括投資と積立はどちらがいいですか?
買うタイミングを毎回決めずに済むため、初めてなら積立も選択肢になります。自動買付なら、設定した金額分を定期的に購入するため、その時々の価格で買うことになります。ただし値下がりが続けば、積立でも元本割れします。
基準価額が高い投資信託は、割高ですか?
いいえ。株価と違って、基準価額が高い・安いことは割高・割安を意味しません。基準価額には、運用開始後の運用成績が反映されています。分配金を出すと、その金額分だけ基準価額が下がります。投資額と値動きの割合が同じなら損益額は変わらず、基準価額によって買える口数だけが異なります。商品を比べるときは、基準価額ではなく中身と信託報酬を見ます。
分配金が出る商品のほうが得ですか?
長期で資産を増やすなら、分配金を出さずに運用を続ける商品のほうが合います。分配金はファンドが運用する資産から支払われるので、その分だけ純資産は減ります。分配金の種類と税金の扱いは「投資信託とは」にまとめました。
まとめ
投資信託は、人気や順位ではなく中身で選びます。同じ指数に連動する商品なら信託報酬の低いほうが有利で、長く持つほど差は大きくなります。元本保証の商品はないため、生活費とは別に用意した余裕資金で買うことが前提になります。候補が決まったら、買う前に目論見書で中身と費用、純資産総額を確かめてください。
※掲載内容は執筆時点(2026年9月)の情報です。手数料・対象商品・制度等は変更される場合があります。投資には元本割れのリスクがあり、本記事は特定の金融商品を推奨するものではありません。購入前に目論見書や公式サイトで最新情報をご確認ください。

