確定申告をすると、申請済みの分まで無効になる
確定申告するなら、申請済みの分も含め、その年のふるさと納税をすべて記載すること。
ワンストップ特例が無効になっても、寄附による控除まで失うとは限りません。私は市役所で特例の無効処理と通知を担当し、通知後の相談にも対応しました。この記事で申告の有無と申告書の記載を確かめ、自分に必要な手続きを判断できます。
この記事でわかること
- 確定申告・住民税申告、年間6団体以上への寄附、寄附した翌年1月1日の住民登録と申請内容の不一致で特例は無効になる
- 確定申告でその年の寄附をすべて記載し、第二表の住民税欄も記載済みなら、原則として追加手続きは不要
- 未申告なら、確定申告の義務がある人は速やかに申告。義務がなく所得税の還付が生じる人は寄附した翌年1月1日から5年間、還付申告できる
- 確定申告済みで寄附を漏らしたら、法定申告期限内は原則、正しい申告書を提出。期限後に所得税額が減るか還付額が増えるなら更正の請求をする
まず確認:あなたに必要な手続き
ワンストップ特例が無効になっても、寄附を申告すれば、税金の負担を減らす寄附金控除を受けられる場合があります。
表に出てくる第一表と第二表は、確定申告書の書類名です。第一表には税額などの計算結果、第二表には所得や控除の詳しい内容を記載します。
以下の表の「課税自治体」は、その年度の住民税を課税した市区町村を指します。原則として、寄附した翌年1月1日時点の住所地の自治体です。ワンストップ特例の申請・変更届は寄附先の自治体、所得税の申告・訂正は税務署が問い合わせ先です。
| いまの状態 | すること |
|---|---|
| 申告義務がなく、まだ申告していない | 納めすぎた所得税を取り戻せる場合は還付申告対象年の翌年1月1日から5年間 |
| 申告義務があるが、まだ申告していない | 期限内なら期限内申告、期限後なら速やかに期限後申告「5年間待てる」という意味ではありません |
| 所得税の確定申告義務がなく、住民税申告だけをする・した | その年の寄附をすべて住民税申告に記載。提出済みで寄附の記載がなければ、課税自治体へ相談所得税の寄附金控除と住民税の申告特例控除は適用されません |
| 全寄附と第二表を申告済み | 原則として追加手続きは不要 |
| 提出済みで、寄附金控除が漏れている | 通常の確定申告の期限(法定申告期限)内は正しい申告書を提出。期限後に所得税が減る・還付が増えるなら、税務署に税額の訂正を求める更正の請求。税額が増える・還付が減るなら修正申告 |
| 第一表には記載したが、第二表の住民税欄が空欄 | 課税自治体へ確認 |
| 寄附を追加しても所得税額が変わらない | 更正の請求では直せないため、課税自治体へ相談 |
先に提出した還付申告がすでに処理されている場合などは、法定申告期限内でも新しい申告書の提出として扱えないことがあります。該当する場合は税務署に確認してください。
ワンストップ特例の利用条件と申告時の注意点
副業所得20万円以下でも、確定申告するならその所得を含める
副業所得が20万円以下でも、ふるさと納税や医療費控除のために所得税の確定申告をするなら、その副業所得も原則として申告に含めます。給与と寄附金控除だけを申告し、副業所得を省くことはできません。
「20万円以下なら申告不要」は、一定の給与所得者が所得税の確定申告をしない場合の扱いです。
副業所得20万円以下の申告不要制度には条件があります。給与収入が2,000万円以下で、主な勤務先の給与が年末調整の対象になっていることなどが前提です。副業が給与の場合は別の基準で判定するため、「勤務先が給与支払報告書を出している」だけでは、所得税の確定申告が不要とは決まりません。
確定申告・住民税申告が必要かで判断する
ワンストップ特例を申請できるのは、確定申告が不要な給与所得者などのうち、寄附先が1年間で5団体以内の人です。
ワンストップ特例を利用できない、または申告によって無効になる代表例は、次のとおりです。
- 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
- 1か所から給与を受けて年末調整を済ませた人などで、給与・退職所得以外の所得が20万円を超える人
- 2か所以上から給与を受け、確定申告が必要になる人
- 医療費控除や住宅ローン控除の初年度などで、確定申告をする人
- 寄附金控除以外の理由で、住民税(市民税・県民税)の申告をする必要がある人
確定申告が不要でも、住民税の申告が必要なら、ワンストップ特例の対象にはなりません。
ワンストップ特例を有効に戻す手続きはありません。所得税の確定申告をするなら、その年のふるさと納税をすべて申告します。所得税の確定申告義務がなく、住民税申告だけをするなら、その申告に寄附を記載します。
自分に確定申告が必要かどうかは「副業の確定申告で損する人・危ない人」で説明しています。商品の販売や業務委託などの副業では、収入から必要経費を差し引いた金額が所得です。確定申告の要否は、売上ではなく、この所得で判定します。
アルバイトの掛け持ちなど副業の収入が給与の場合は判定の基準が変わります。基準は「ダブルワークはいくらから?」にまとめています。
ワンストップ特例を使えない主なケース
確定申告などで申請済みの特例が無効になる場合と、もともと利用条件を満たしていない場合があります。
| よくある状況 | 制度上の扱い |
|---|---|
| 確定申告をした | 申請済みの分を含めて無効副業・医療費控除・住宅ローン控除の初年度など、申告理由は問いません |
| 住民税の申告をした | 市区町村へ住民税申告をした場合も無効その申告に寄附を記載すれば、住民税の基本分・特例分は対象。申告特例控除は適用されません |
| 6団体以上に寄附した | 申請済みの分を含めて無効同じ自治体へ複数回寄附しても1団体と数えます |
| 住民登録と申請内容が一致しない | 寄附した翌年1月1日時点の住民登録情報と、申請書・変更届出書の内容が一致しないため無効申請後、翌年1月1日までに氏名・住所が変わり、寄附先が案内する期限までに変更届出書を出さなかった場合など |
| もともと対象外だった | 給与収入2,000万円超の人や、一定の給与所得者で給与・退職所得以外の所得が20万円を超える人など、確定申告が必要な人。住民税申告が必要な人も含みます |
ワンストップ申請をしたのが5団体でも、同じ年に6団体へ寄附した場合は特例を使えません。
申請書を出していない場合や、寄附先が案内する期限に間に合わなかった場合は、無効ではなく、ワンストップ特例が適用されていない状態です。確定申告で寄附金控除を申告すれば控除を受けられます。同じ自治体へ1年に何回寄附しても寄附先は1団体ですが、申請は寄附ごとに必要です。
ワンストップ申請の期限は寄附先の案内で確認する
申請期限は原則として寄附した翌年の1月10日です。ただし、2026年中の寄附分は、珠洲市が2027年1月10日必着、港区が1月12日必着と案内しています。消印有効とする自治体もあるため、寄附先の受付期限と郵送条件を確認してください。
確定申告と住民税申告は、どちらでも無効になる
「確定申告はしていないから大丈夫」と思っていても、住民税申告をしていれば無効になります。なお、所得税の確定申告書は住民税申告も兼ねるため、別に住民税申告書を出す必要はありません(地方税法45条の3、317条の3)。住民税の申告が必要になる人は「住民税の申告だけ必要な人は?」で説明しています。
引っ越しても、変更届が要らないことがある
変更届出書が必要なのは、申請後、翌年1月1日までに住所や氏名が変わった場合です。1月2日以降の引っ越しなら、その年の住民税で基準となる1月1日時点の住所は申請内容と一致するため、この理由による変更届は不要です。詳しくは「住民税は引っ越したらどこに払う?」で説明しています。
オンライン申請でも、無効になる条件は同じ
オンライン申請でも、確定申告や住民税申告をした場合、寄附先が6団体以上になった場合、寄附した翌年1月1日までの住所・氏名の変更を寄附先が案内する期限までに届け出なかった場合は、特例を使えません。
市役所がワンストップ特例の無効を把握する流れと通知時期
以下は、私が勤務していた自治体での流れです。通知の有無・送付対象・名称・発送時期は自治体によって異なります。
まず、寄附先の自治体からその年度の住民税を課税した市区町村へ、ワンストップ特例の申告特例通知書が届きます。私のいた自治体では、その内容を課税システムに登録していました。
その後、税務署から確定申告データが届きます。登録済みのワンストップ申請と同じ人の確定申告を反映する段階でシステムに警告が出て、担当者が特例を無効にしていました。窓口で気づくのではなく、申告データを突き合わせる段階で分かる仕組みでした。
確定申告へ自動で寄附金控除が移るわけではない
確定申告書に寄附金控除の記載があれば、その申告内容をもとに所得税と住民税が計算されます。記載がなければ、無効になったワンストップ申請の寄附額が、確定申告へ自動で追加されることはありません。
通知の対象や時期は自治体によって違う
私のいた自治体では、住民税額が決まる6月中旬ごろに、年に十数件の無効通知を発送していました。名称は「申告特例非該当通知」「申告特例無効通知」など自治体によって異なります。
一方、神戸市は、ふるさと納税を確定申告に正しく記載している人には非該当通知を送らないと案内しています。通知が届かない自治体もあるため、全国一律に「6月に通知される」とは限りません。
通知が届いたら、まず提出済みの申告書の控えを確認してください。必要な対応は、記事冒頭の「まず確認:あなたに必要な手続き」で状況別にまとめています。
特例が無効になった場合の所得税・住民税の控除
ワンストップ特例が無効になった場合、確定申告または住民税申告に寄附を記載しなければ、寄附による控除を受けられません。確定申告で控除を受ける場合の内訳は、次のとおりです。表の「所得控除」は税額を計算する前の所得から、「税額控除」は計算した税額から直接差し引くことです。
| 控除される先 | 計算のしかた |
|---|---|
| 所得税 | (ふるさと納税額 − 2,000円)を所得控除控除対象となる寄附金額は、総所得金額等の40%が上限です。実際の所得税軽減額は所得税率などで変わります |
| 住民税 (基本分) | (ふるさと納税額 − 2,000円)×10%を税額控除控除対象となる寄附金額は、総所得金額等の30%が上限です |
| 住民税 (特例分) | (ふるさと納税額 − 2,000円)×{90% − 控除計算に用いる所得税率×1.021}を税額控除上限は2026年の寄附分が住民税(所得割)の20%、2027年の寄附分からは所得割の20%と193万円のうち低い額です。計算に用いる税率は、実際の所得税の適用税率と異なる場合があります。1.021は、2026年分は復興特別所得税、2027〜2047年分は防衛特別所得税と復興特別所得税の合計2.1%を含める倍率です。 |
確定申告にも住民税申告にも寄附を記載していなければ、所得税・住民税に寄附による控除は反映されません。上限内で5万円を寄附した場合、控除額の合計はおおむね4万8,000円ですが、申告漏れのままではその控除を受けられません。
一方、第一表には寄附金控除を書き、第二表の住民税欄だけが抜けた場合でも、所得税の寄附金控除までなくなるわけではありません。
第二表の住民税欄が未記載だと、寄附の控除が反映されないことがある
提出前に、第二表の「都道府県、市区町村への寄附(特例控除対象)」欄まで確認してください。
勤務していた自治体の窓口では、「ワンストップの紙は出しました」と言われることがありました。そのときは、確定申告で無効になることを説明し、寄附の内容を第二表の次の2か所に記載するよう伝えていました。
- 第二表「寄附金控除に関する事項」の「寄附先の名称等」欄と「寄附金」欄
(寄附先の団体名と金額を書きます。所得税の寄附金控除の内訳になります) - 第二表「住民税に関する事項」の中の「都道府県、市区町村への寄附(特例控除対象)」欄
手書きで作る場合は、第一表の「寄附金控除」欄にも控除額を書きます。作成コーナーや会計ソフトでは、第一表に控除額が自動入力されます。
5万円を寄附した場合の記入例
令和7年分(2025年分)の申告書で、その年の寄附が特例控除対象のふるさと納税5万円だけの場合の例です。寄附日に総務大臣の指定を受けた自治体への寄附で、所得税の寄附金控除の上限にかからないことを前提としています。
| 記入する欄 | この例の金額 |
|---|---|
| 第一表「寄附金控除」 | 48,000円 |
| 第二表「寄附金控除に関する事項」の寄附金額 | 50,000円 |
| 第二表「都道府県、市区町村への寄附(特例控除対象)」 | 50,000円 |
第二表には、2,000円を差し引く前の寄附額を記載します。第一表の48,000円は所得控除額で、その全額が所得税から還付されるわけではありません。
抜けやすいのは、「住民税に関する事項」の欄です。国税庁は、この欄が未記載の場合、市区町村が住民税額を決める際に、寄附金税額控除が適用されないことがあると案内しています。提出後に記載漏れに気づいたら、その年度の住民税を課税した市区町村に確認してください。
ワンストップを申請した寄附も、申請していない寄附も、区別せずすべて申告書に書きます。控除を受ける寄附については、寄附先から届く寄附金受領証明書を用意します。
国税庁長官が指定した特定事業者が発行する「寄附金控除に関する証明書」は、そこに記載された寄附分の受領証明書に代えられます。証明書に載っていない寄附分は、その分の受領証明書も必要です。
通常の確定申告をe-Taxで行う場合は、証明書の記載事項を入力して送信することで、添付を省略できます。ただし原本は、申告期限から5年間、自分で保管しておきます。
一方、寄附金控除の記載漏れを更正の請求で直す場合は、寄附金受領証明書等の添付が必要です。
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使う場合は、画面の案内に沿って寄附内容を入力し、第一表と第二表の記入内容を確認します。マイナポータル連携をすると、寄附金受領証明書のデータが取り込まれ、金額が自動入力されます(事前準備が必要です)。寄附先が多い人ほど手間が減ります。
確定申告で寄附を書き忘れたときの直し方
法定申告期限内は、寄附金控除を含む正しい内容の確定申告書を期限までに提出します。ただし、先に出した還付申告がすでに処理されている場合などは、新しい申告書の提出として扱えないことがあります。該当する場合は税務署に確認してください。
期限後に、提出済みの申告へ寄附金控除を追加した結果、所得税が減る、または還付額が増える場合は、更正の請求書を提出します。通常の確定申告書をもう一度送る手続きではありません。税額が増える、または還付額が減る訂正は修正申告です。更正の請求書には、ふるさと納税の寄附金受領証明書等の添付が必要です。
勤務していた自治体では、6月ごろに無効通知を受け取って初めて気づいた人から相談を受けることがありました。その場合は、申告状況を確認したうえで、寄附金控除を含めて申告内容を訂正するよう案内していました。市役所が確定申告の内容に寄附額を加え、所得税を計算し直すことはできません。
訂正時に、寄附金控除だけを記載し、給与やほかの控除を空欄のまま提出してしまうケースもありました。
最初に提出した申告書の控えや保存データを用意し、その内容をもとに寄附金控除を追加して税額を計算し直します。給与、生命保険料控除、扶養控除、医療費控除など、最初の申告に含めた内容に漏れがないか確認します。
「5年」を数え始める日は、申告状況によって違う
| 状況 | 所得税の手続きと期限の目安 |
|---|---|
| 申告義務がなく、まだ申告していない | 還付申告。対象年の翌年1月1日から5年間 |
| 申告義務があり、提出済みの税額を減らす・還付額を増やす | 更正の請求。原則として法定申告期限から5年以内 |
| 申告義務がなく、提出済みの還付申告の還付不足を直す | 更正の請求。原則として還付申告書の提出日から5年以内 |
| 申告義務があるのに未申告 | 気づいた時点で速やかに期限後申告 |
寄附日や無効通知の到着日から一律に5年ではありません。期限後申告には無申告加算税や延滞税が生じる場合があるため、「5年間待てる」という意味ではなく、早めの手続きが必要です。
更正の請求書は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作れます。東京国税局の令和7年分の作成例では、「提出した申告書に誤りがあった場合」から「新規に更正の請求書・修正申告書を作成する」へ進み、訂正する年分(寄附した年)を選びます。通常の確定申告書を新しく作る入口とは異なります。
住民税の申告だけをした場合は、所得税は戻らない
所得税の確定申告義務がない人は、市区町村へ出す住民税申告書に、その年のふるさと納税をすべて記載する方法もあります。所得税の確定申告が必要な人は、住民税申告だけで済ませることはできません。要件を満たす寄附は、住民税の寄附金税額控除(基本分・特例分)の対象になります。
ただし、住民税申告だけでは所得税の寄附金控除は適用されず、還付もありません。また、ワンストップ特例が無効になるため、所得税の控除相当額を住民税から引く申告特例控除も適用されません。このため、住民税申告だけでは、寄附額から2,000円を引いた額の全額が控除されるとは限りません。
また、寄附金控除を反映しても最終的な所得税等の額が変わらない場合は、更正の請求ができません。もともと所得税がかかっていない人や、ほかの控除ですでに税額がゼロになっている人です。東京国税局は「更正の請求をすることができませんので、この場合は、お住まいの市区町村にご相談ください」と案内しています。
更正の請求ができない場合でも、住民税の寄附金控除を受けられることがあります。必要書類や提出方法は自治体によって異なります。寄附金受領証明書、本人確認書類、マイナンバー確認書類などが必要になることがあるので、その年度の住民税を課税した市区町村へ確認してください。
住民税が「増えた」通知が届くことがある
以下は、その年のふるさと納税を確定申告にすべて含め、第二表も正しく記載した場合の説明です。
住民税がいったん決まったあとに正しい内容の確定申告データが届くと、ワンストップ特例が無効になり、控除の一部が住民税から所得税へ移ります。その結果、住民税の控除額が下がり、納める住民税が増えることがあります。
上限内の寄附を正しく申告していれば、住民税で控除されなくなった分は所得税で控除されるため、ふるさと納税による控除額の合計は原則として変わりません。
一方、確定申告に寄附金控除そのものを書き忘れた場合は、控除される税目が移ったのではありません。寄附金控除が反映されていないため、所得税と住民税を合わせた控除額の合計も減ります。記事冒頭の表に沿って、申告状況に合う手続きをしてください。
住民税が上がる理由はふるさと納税だけではありません。前年の所得が増えた場合や、扶養控除が外れた場合にも増えます。原因の探し方は「住民税が去年より高くなる原因」で説明しています。
税額が決まって通知が届くまでの流れは「普通徴収にしたのにバレる4パターン」で説明しています。所得税が還付される時期の目安は「確定申告の還付金はいつ?」にまとめています。
よくある質問
ワンストップの申請書を出したあとに確定申告しました。自治体に取り消しの連絡は必要ですか?
取り消しの連絡は原則として必要ありません。まず確定申告書の控えを確認してください。その年のふるさと納税をすべて申告し、第二表の住民税欄にも記載していれば、原則として追加手続きは不要です。寄附の記載漏れがあれば、申告状況に合う方法で訂正します。
ふるさと納税のワンストップ特例を使える条件は?
所得税の確定申告も住民税申告もしないことが条件です。そのうえで、1年間の寄附先が5団体以内で、寄附先が案内する期限までに申請を完了する必要があります。郵送の場合は、必着か消印有効かも確認してください。
給与収入が2,000万円を超える人や、年末調整済みの給与を1か所から受けて給与・退職所得以外の所得が20万円を超える人など、確定申告が必要な人は利用できません。
寄附先が5団体以内なら、確定申告してもワンストップは使えますか?
使えません。5団体以内というのはワンストップを申請できる条件で、確定申告をすれば申請済みの分も無効になります。団体数にかかわらず、その年のふるさと納税をすべて確定申告に含めてください。
副業の所得が20万円以下です。ワンストップのままで大丈夫ですか?
大丈夫とは限りません。給与以外の副業所得が20万円以下でも、住民税申告が必要ならワンストップは利用できません。また、寄附金控除や医療費控除のために所得税の確定申告をするなら、その副業所得も原則として申告に含めます。副業が給与の場合は別の基準で判定するため、勤務先が給与支払報告書を出していることだけでは利用可否を判断できません。
住宅ローン控除を受けるために確定申告します。ワンストップはどうなりますか?
無効になります。住宅ローン控除を受ける初年度は確定申告が必要なので、その年のふるさと納税も寄附金控除として申告書に記載してください。
2年目以降、年末調整で住宅ローン控除を受け、ほかに確定申告も住民税申告も必要ない年はワンストップを利用できます。
無効の通知が届きました。何をすればいいですか?
まず提出済みの確定申告書を確認してください。その年のふるさと納税をすべて申告し、第二表の住民税欄にも記載していれば、原則として追加手続きは不要です。
寄附金控除が漏れている場合は、法定申告期限内なら正しい申告書を提出し、期限後に所得税が減る・還付額が増えるなら更正の請求をします。
第二表だけが未記載の場合や、所得税額が変わらない場合はその年度の住民税を課税した市区町村に確認してください。
年末に寄附して、年明けに引っ越しました。
ワンストップ特例の申請後、寄附した翌年1月1日までに住所が変わった場合は、変更届出書が必要です。寄附先が案内する期限までに、寄附先の自治体へ申告特例申請事項変更届出書を出します。1月2日以降の引っ越しなら、この理由による変更届出書は不要です。期限に間に合わなかった場合は、確定申告で寄附金控除を申告してください。
控除が反映されたか、どこで確認できますか?
所得税は確定申告書の控えで確認します。住民税は、給与天引きなら特別徴収税額の決定・変更通知書、個人納付なら住民税の納税通知書にある税額計算内訳や寄附金税額控除欄を確認します。欄名は自治体によって異なり、税額控除額にはほかの控除が合算されることがあります。寄附金分を区別できないときは、その年度の住民税を課税した市区町村へ確認してください。
上限額はいくらまでですか?
収入や家族構成、副業の所得、医療費控除などの各種控除によって変わります。寄附した年の所得と各種控除を反映して試算します。副業所得や医療費控除などを追加すると、給与収入だけの簡易試算や寄附前の見込みと差が出ることがあります。上限額の目安は、所得と各種控除を入力できる詳細なシミュレーターで確認できます。
まとめ
ワンストップ特例が無効でも、その年のふるさと納税をすべて確定申告に含め、第二表も正しく記載していれば、原則として追加手続きは不要です。自治体へ取り消しの連絡をする必要もありません。
寄附が漏れている場合の手続きは、申告状況に応じて、法定申告期限内の訂正、更正の請求、期限後申告などに分かれます。第二表だけが未記載の場合や、所得税額が変わらない場合は、その年度の住民税を課税した市区町村へ確認してください。
所得税の確定申告義務がなく、住民税の申告だけをする場合は、その年の寄附をすべて住民税申告書に記載します。
※私は税理士ではありません。この記事は一般的な内容と私自身の経験にもとづいています。制度や金額は執筆時点(2026年10月)の情報です。運用の細部は自治体によって異なる場合があります。個別の判断は、税理士や、所得税を担当する税務署・住民税を課税した市区町村にご確認ください。

