確定申告をすると、申請済みの分まで無効になる
無効に気づくのが遅れても、5年以内なら寄附金控除を取り戻せる。
確定申告で無効になることを知らずに、ワンストップ特例を申請する人は少なくありません。東京国税局も、寄附金控除を書かずに確定申告する誤りについて注意を呼びかけています。私は市役所で、ワンストップ特例を無効にする処理と、対象者への通知を担当していました。無効になる6つのケースや、市役所が気づくタイミングと方法、申告後の取り戻し方を解説します。
この記事でわかること
- ワンストップ特例が使えるのは、確定申告も住民税の申告も要らない人
- 使えなくなるのは6ケース。医療費控除や住宅ローン控除での確定申告、住民税の申告、引っ越し後の変更届の出し忘れでも無効になる
- 申告書は「寄附金控除」欄だけでは足りない。第二表の「都道府県、市区町村への寄附」欄まで書く
- 無効になると市区町村から通知が届くことが多い。名前も届く時期も自治体によって違う
- 期限内なら出し直し、過ぎていれば更正の請求。どちらも申告書は一から作り直し、給与やほかの控除も全部書く
副業の所得が20万円以下でも、住民税の申告が要るなら対象外
確定申告が要らない人でも、住民税の申告が要るなら最初から使えません。
ワンストップ特例を申請できるのは、確定申告が不要な給与所得者などのうち、寄附先が1年間で5団体以内の人に限られます(柏市の案内)。申請書の期限は、寄附した翌年の1月10日です(2026年中の寄附なら2027年1月10日)。
逆に言えば、確定申告が義務づけられている人は対象外です。確定申告が必要になるのは、たとえば次のような人です。
- 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
- 給与所得および退職所得以外の所得が20万円を超える人
- 医療費控除や雑損控除など、寄附金控除以外にも確定申告をする必要がある人
- 寄附金控除以外の理由で、住民税(市民税・県民税)の申告をする必要がある人
2つ目は、副業の所得が20万円を超えるケースです。副業の所得(売上 − 経費)が20万円を超えたら、確定申告が必要になります。つまり、確定申告によって無効になったのではなく、対象外の人がワンストップ特例を申請していたことになります。
3つ目の、医療費控除や住宅ローン控除などで確定申告をするケースも見落とされやすいです。医療費控除を受ける年や住宅ローン控除の初年度など、ふるさと納税とはまったく関係のない理由で確定申告をする年も、ワンストップは無効になります。副業をしていない人にも当てはまります。
「今年は医療費がかさんだから確定申告しよう」と決めた時点で、その年のワンストップは使えなくなります。
4つ目は、副業の所得が20万円以下の人です。所得税の「20万円以下なら申告不要」は住民税には及ばないので、この場合も住民税の申告は原則として必要です。その申告をする人は、最初からワンストップの対象ではありません。
ただし、副業の収入が給与で、勤務先が住所地の市区町村へ給与支払報告書を出している場合は、住民税の申告は要りません。
対象かどうかは、確定申告が要るかどうかで決まります
対象かどうかを取り違えると、必要な手続きも変わってしまいます。ワンストップ特例を有効に戻す手続きはありません。必要なのは、確定申告書に寄附金控除を正しく記載することです。
自分に確定申告が必要かどうかは「副業の確定申告で損する人・危ない人」に書きました。売上ではなく所得で、確定申告の要否を判断してください。アルバイトの掛け持ちなど副業の収入が給与の場合は判定の基準が変わるので、「ダブルワークの確定申告はいくらから必要か」を見てください。
ワンストップ特例が使えない・無効になる主なケース
根拠は地方税法附則第7条第6項および第13項です。自治体が公表している内容は、次のとおりです。
条文上、無効になる理由は、申告をしたこと、5団体を超えて申請したこと、住民登録と申請内容が違うことの3つです。対象外だった人は、無効になるのではなく最初から使えません。
| ケース | 内容 |
|---|---|
| 1. 確定申告をした | 所得税の確定申告をすると、申請済みの分も含めて無効副業・医療費控除・住宅ローン控除の初年度など、理由は問わない |
| 2. 住民税の申告をした | 市区町村へ住民税(市民税・県民税)の申告をした場合も無効確定申告だけの話ではありません。この申告に寄附金控除を書けば、住民税の控除は受けられます |
| 3. 6団体以上に寄附した | 1年間の寄附先が6団体以上になると、申請済みの分も含めて全部が無効条文上の判定は申請書を出した自治体の数ですが、6か所に寄附して5か所だけ申請しても、残り1か所の控除には確定申告が要り、その申告で全部が無効になります |
| 4. 住民登録と申請内容が違う | 申請書(変更届出書を含む)の内容が、賦課期日である翌年1月1日時点の住民登録情報と違う場合 |
| 5. 引っ越して変更届を出さなかった | 氏名・住所などが変わったのに、翌年1月10日までに変更届出書を出さなかった場合結果として4に該当してしまう |
| 6. そもそも対象外の人だった | 給与収入2,000万円超、給与・退職以外の所得が20万円超など、確定申告が義務づけられている人。住民税の申告が必要な人も含みます |
申請書を出していない場合と、1月10日に間に合わなかった場合は、この6つのどれにも当たりません。ワンストップ特例が適用されていないだけなので、確定申告で寄附金控除を書けば控除を受けられます。郵送する場合は、1月10日必着です。同じ自治体へ1年に何回か寄附したときは、寄附先の数は1団体と数えますが、申請は寄附するたびに必要です。1回でも出し忘れると、その寄附分はワンストップ特例では控除されません。
2つの申告は、どちらか一方でも無効になります
見落とされやすいのは、住民税の申告をした場合と、引っ越し後に変更届を出さなかった場合です。「確定申告はしていないから大丈夫」と思っていても、住民税の申告をしていれば無効になります。
逆に、確定申告をすれば住民税の申告もしたことになります。所得税の確定申告書が住民税の申告書を兼ねているからです(地方税法45条の3、317条の3)。住民税の申告が必要になる人は「住民税の申告だけ必要な人は?」にまとめました。
引っ越しても、変更届が要らないことがあります
変更届の出し忘れが起きやすいのは、年末に寄附したあと、その年のうちに引っ越した場合です。変更届出書が必要なのは、申請後、翌年1月1日までに住所や氏名が変わった場合です。1月2日以降に引っ越したのなら、1月1日時点の住民登録は前の住所なので、登録住所と申請内容が一致します。この場合の変更届出書は要りません。
その年度の住民税を納める市区町村も、1月1日の住民登録地で決まります。前の市から納付書が届く理由は「住民税は引っ越したらどこに払うか」に書きました。
オンラインで申請していても、無効になる条件は同じです
オンラインでワンストップ特例を申請した場合は、マイナンバーカードの情報が使われるので、入力の間違いによる不一致は起きにくくなります。ただし申請したあとに住所や氏名が変われば、オンラインでも変更の手続きが要ります。確定申告や住民税の申告をすれば、オンライン申請でもワンストップ特例は無効になります。
市役所はどこで気づき、いつ通知するのか
窓口ではなく、申告のデータを突き合わせる段階で無効だと判明します。
私は市役所で、税務署から送られた確定申告の内容を課税システムに反映する仕事をしていました。
まず、ワンストップ特例の申告特例通知書が、寄附先の自治体から住所地の市区町村に送られてきます。時期は決まっていて、翌年の1月11日から1月31日までの間です。1月10日までは変更届出書が出る可能性があるので、寄附先の自治体はその期限を待ってから通知書を送ります。
届いた通知は、市区町村が課税システムに反映させます。この時点では、寄附した人がワンストップ特例による控除の対象者として登録されています。
そのあと、税務署から確定申告のデータが送られてきます。これも課税システムに反映させます。ここで初めて、同じ人がワンストップ特例を申請し、確定申告もしていると分かります。その時点でシステムに警告が出るので、市区町村の担当者がワンストップ特例を無効にします。
無効になっても、寄附金控除が確定申告へ自動で反映されるわけではありません
確定申告書に寄附金控除が書いてあれば、その内容で住民税の控除も計算されます。書いていなければ、ワンストップ特例は無効のままで、確定申告にも寄附金控除が反映されません。
無効になった人には、市区町村から通知を送ります
私がいた自治体では、住民税額が決まる6月中旬ごろに発送していました。人口が少なかったので、無効の通知は年に十数件ほどでした。
この通知の名称は、自治体によって違います。たとえば次のような呼び方があります。
- 申告特例(ふるさと納税ワンストップ特例)非該当通知
- 申告特例(ふるさと納税ワンストップ特例)無効通知
通知書の名称で検索しても、その言葉を使った説明が見つからないことがあります。呼び方が違うだけで、意味は同じです。ワンストップ特例が適用されなかったことを知らせる通知だと考えると分かりやすいです。内容が分からないときは、通知を出した市区町村の住民税の担当課に聞くのがいちばん早いです。
通知が届いたら、まず次の表で自分がどれに当たるかを確かめてください。表にある「更正の請求」は、いったん出した申告書の税額が多すぎたときに、正しい税額へ直すよう求める手続きです。
| いまの状態 | すること |
|---|---|
| 確定申告をまだしていない | 寄附金控除を入れて確定申告をする住民税の申告だけをした場合や、6団体以上への寄附、変更届の出し忘れなどが当てはまります。還付だけなら翌年1月1日から5年 |
| 確定申告に全部の寄附と第二表を書いてある | 追加の手続きは要りません |
| 申告書に寄附を書き忘れた | 申告期限内なら出し直し、期限後なら更正の請求 |
| 第一表には書いたが第二表が空欄 | 住所地の市区町村に確認する |
| 所得税がゼロで更正の請求ができない | 市区町村に住民税の申告を相談する |
放っておくと、控除は丸ごと消える
ふるさと納税は、寄附額のうち2,000円を超える部分について、所得税と住民税からそれぞれ控除される制度です。内訳は次のとおりです。
| 控除される先 | 計算のしかた |
|---|---|
| 所得税 | (ふるさと納税額 − 2,000円)を所得控除総所得金額等の40%が上限 |
| 住民税 (基本分) | (ふるさと納税額 − 2,000円)× 10%を税額控除総所得金額等の30%が上限 |
| 住民税 (特例分) | (ふるさと納税額 − 2,000円)×(100% − 10% − 所得税率)を税額控除所得割額の20%が限度 |
申告書に書かなければ、この3つすべてを受けられません。上限内で5万円を寄附した場合、本来4万8,000円減る税負担が、そのまま残ります。返礼品を受け取っていても、本来受けられるはずだった税額控除を受けられない状態です。
申告書は「第二表」まで書かないと住民税に反映されない
寄附金控除の欄だけでは足りません。第二表の「都道府県、市区町村への寄附」欄まで書きます。
窓口では「ワンストップの紙は出しました」と言われることがありました。そのときは、確定申告で無効になることを説明し、寄附の内容を申告書の次の2か所に記載するよう伝えていました。
- 第二表「寄附金控除に関する事項」の「寄附先の名称等」欄と「寄附金」欄
(寄附先の団体名と金額を書きます。所得税の寄附金控除の内訳になります) - 第二表「住民税に関する事項」の中の「都道府県、市区町村への寄附(特例控除対象)」欄
手書きで作る場合は、第一表の「寄附金控除」欄にも控除額を書きます。作成コーナーや会計ソフトでは、第一表に控除額が自動入力されます。
抜けやすいのは、「住民税に関する事項」の欄です。奈良市も、この欄にふるさと納税額の記載がなければ控除を受けられないと案内しています。市区町村は、この欄を見て住民税の控除額を計算しているからです。ここが空だと、所得税では控除されたのに住民税では控除されません。
ワンストップを申請した寄附も、申請していない寄附も、区別せずすべて申告書に書きます。用意するのは寄附先から届いた寄附金受領証明書です。複数の自治体に寄附した場合は、すべての寄附分が必要です。ふるさと納税サイトが発行する「寄附金控除に関する証明書」(年間分をまとめたもの)で代用できます。e-Taxで申告する場合は、証明書を添付せず、証明書の記載事項を入力するだけです。ただし原本は、申告期限から5年間、自分で保管しておきます。
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使えば、画面の案内どおりに金額を入れるだけで両方の欄に反映されます。マイナポータル連携をすると、寄附金受領証明書のデータが取り込まれ、金額が自動入力されます(事前準備が必要です)。寄附先が多い人ほど手間が減ります。
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申告書を出したあとで書き忘れに気づいても、5年以内なら寄附金控除を取り戻せます。寄附金受領証明書または寄附金控除に関する証明書を添えて、確定申告をやり直します。
申告期限内なら、正しい内容の申告書をもう一度出せば済みます。期限を過ぎていて、納めた税金が多すぎた場合は更正の請求です。ほかにも修正する項目があり、その結果として税額が増える場合は修正申告をします。
私は、無効の通知を送ったあとに「どうすればいいですか」という相談を受けることがありました。無効の通知が届く6月ごろになって、初めて気づく人も多くいました。そのときは、寄附金控除を書いた確定申告書を再提出するよう案内していました。市役所が確定申告の内容に寄附額を加えて税額を計算し直すことはできません。
出し直した申告書に寄附金控除だけを書き、給与やほかの控除を空欄のまま提出する人がいました。
出し直しであっても、申告書は一から作り直します。当初の申告に書いてあった給与の金額、生命保険料控除や扶養控除といったほかの控除も、もう一度すべて記載してください。寄附金控除だけを追加する場合でも、申告書には給与やほかの控除を含めてすべて記載します。
空欄のまま出すと、本来受けられる控除がないものとして税額が計算されます。ふるさと納税分を反映しても、ほかの控除が入っていなければ税額が増え、もう一度申告書を出し直すことになります。作成コーナーで当初の申告書を呼び出して修正すれば、書き漏らしを防げます。
更正の請求書は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にある「更正の請求書・修正申告書作成コーナー」で作れます。ふるさと納税の場合の作成例まで載っています。
更正の請求は、原則として法定申告期限から5年が限度です。数年前の分でも5年以内なら請求できます。ただし寄附した年が古いほど証明書を探すのに時間がかかるので、気づいた時点で手続きしてください。
住民税の申告だけをした場合は、所得税は戻らない
確定申告をせず、市区町村へ出す住民税の申告書に寄附金控除を記載する方法もあります。ただしこの場合、控除されるのは住民税だけです。所得税の寄附金控除は受けられず、還付もありません。奈良市もこの点をはっきり書いています。
また、寄附金控除を反映しても最終的な所得税等の額が変わらない場合は、更正の請求ができません。もともと所得税がかかっていない人や、ほかの控除ですでに税額がゼロになっている人です。東京国税局は「更正の請求をすることができませんので、この場合は、お住まいの市区町村にご相談ください」と案内しています。
更正の請求ができない場合でも、住民税の寄附金控除を受けられることがあります。所得税額が変わらなくても、住民税では寄附金控除を受けられます。市区町村へ持参するのは、寄附金受領証明書、本人確認書類、マイナンバーを確認できる書類です。
住民税が「増えた」通知が届くことがある
住民税が増えたように見えるため、この通知を見て戸惑う人もいます。住民税の控除額は減っても、その分は所得税で控除されています。
住民税がいったん決まったあとで確定申告をすると、控除される先が変わります。最初はワンストップ特例として住民税から全額が控除されていても、確定申告のデータが届くと特例が無効になり、控除の一部は所得税に反映されます。その結果、住民税の控除額が下がり、納める住民税が増えることがあります。
通知だけを見ると「なぜ増えたのか」と思いますが、住民税から外れた控除分は所得税から控除されているので、ふるさと納税による減税額の合計は変わりません。流山市の説明にも同じことが書かれています。
なお、住民税が上がる理由はふるさと納税だけではありません。前年の所得が増えた場合や、扶養控除が外れた場合にも増えます。原因の探し方は「住民税が去年より高い理由」に書きました。
税額が決まって通知が届くまでの流れは「副業の住民税で会社にバレる仕組み」で説明しています。所得税が還付される時期の目安は「確定申告の還付金はいつ振り込まれる?」にまとめています。
よくある質問
ワンストップの申請書を出したあとに確定申告しました。自治体に取り消しの連絡は必要ですか?
必要ありません。ワンストップ特例の通知と確定申告のデータは、どちらも住所地の市区町村の課税システムに入ります。両方そろった時点で、ワンストップは無効として処理されます。やることは、申告書に寄附金控除を書くことだけです。
ふるさと納税のワンストップ特例を使える条件は?
確定申告も住民税の申告もしないことが条件です。そのうえで、1年間の寄附先が5団体以内で、寄附した翌年の1月10日までに申請書が寄附先へ届いている必要があります。給与収入が2,000万円を超える人や、給与・退職以外の所得が20万円を超える人は、確定申告が義務なので最初から使えません。
寄附先が5団体以内なら、確定申告してもワンストップは使えますか?
使えません。5団体以内というのはワンストップを申請できる条件で、確定申告をすればその申請自体が無効になります。団体数は関係ありません。
副業の所得が20万円以下です。ワンストップのままで大丈夫ですか?
大丈夫とは限りません。所得税の「20万円以下なら申告不要」は住民税には及ばないので、副業の収入が給与以外なら20万円以下でも住民税の申告が原則として必要です。その申告をすればワンストップは使えないので、申告書に寄附金控除を書いてください。医療費控除などで確定申告をする年も無効になります。副業の収入が給与で、勤務先が給与支払報告書を出しているなら住民税の申告は要らないので、ワンストップを使えます。
住宅ローン控除を受けるために確定申告します。ワンストップはどうなりますか?
無効になります。住宅ローン控除を受ける初年度は確定申告が必要なので、その年のふるさと納税も寄附金控除として申告書に記載してください。2年目以降、年末調整で住宅ローン控除を受けられるようになれば、ほかに確定申告をする理由がない年はワンストップを使えます。
無効の通知が届きました。何をすればいいですか?
その年のふるさと納税を寄附金控除に含めて、確定申告をやり直してください。すでに確定申告書を提出し、申告期限も過ぎているなら、更正の請求をします。このとき、給与やほかの控除も含めて当初の内容をすべて記載してください。寄附金控除だけを書いた申告書を出すと、ほかの控除を含めず税額が計算されます。通知は自治体によって「非該当通知」「無効通知」などと呼ばれますが、指している内容は変わりません。
年末に寄附して、年明けに引っ越しました。
手続きは引っ越した日によって変わります。1月1日より前に住所が変わったなら、寄附した翌年の1月10日までに、寄附先の自治体へ「申告特例申請事項変更届出書」を出す必要があります。1月2日以降の引っ越しなら、1月1日時点の住民登録は前の住所のままなので、変更届出書は要りません。期限に間に合わなかった場合は、確定申告で寄附金控除を申告してください。
控除が反映されたか、どこで確認できますか?
所得税は確定申告書の控えにある寄附金控除欄、住民税は6月ごろに届く特別徴収税額決定通知書の税額控除額欄で確認できます。金額に納得がいかないときは、住民税ならお住まいの市区町村、所得税なら管轄の税務署が窓口です。
上限額はいくらまでですか?
収入や家族構成、副業の所得によって変わります。副業の所得も計算に入るため、給与収入だけで試算した上限額とは差が出ます。金額はふるさと納税の各サイトのシミュレーターで確認してください。上限額の計算方法は、この記事では扱っていません。
まとめ
副業の所得があるなら、20万円以下でもふるさと納税のワンストップ特例は使えないことがあります。住民税の申告が必要になるからです。申請書を出していても、確定申告や住民税の申告をした時点で無効になります。自治体への連絡は不要ですが、申告書に寄附金控除を書かなければ、税負担は減りません。
書く場所は2か所あります。第二表の「寄附金控除に関する事項」欄と「都道府県、市区町村への寄附」欄です。住民税の控除額は第二表をもとに計算されるため、必要な記載がなければ寄附金控除を受けられません。申告書を出してから気づいた場合も、申告期限内なら出し直し、期限後なら更正の請求ができます。寄附金受領証明書を用意し、必要事項を第二表の2か所に記載してください。副業の帳簿を会計ソフトでつけていれば、同じソフトで申告書も作成できます。
freee会計を無料で試してみる※私は税理士ではありません。この記事は一般的な内容と私自身の経験にもとづいています。制度や金額は執筆時点(2026年9月)の情報です。運用の細部は自治体によって異なる場合があります。個別の判断は、税理士やお住まいの税務署・自治体にご確認ください。
参考:e-Gov法令検索「地方税法」/国税庁「No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)」/東京国税局「『ふるさと納税ワンストップ特例』の申請書を提出された方」/総務省「ふるさと納税の流れ」/国税庁「No.2026 確定申告を間違えたとき」/横浜市「ワンストップ特例の申請事項変更届出書」/さいたま市「市民税・県民税の申告が必要な方」/国税庁「ふるさと納税をされた方へ(確定申告特集)」/柏市「ふるさと納税ワンストップ特例制度」/奈良市「ふるさと納税制度による個人住民税(市・県民税)の寄附金控除について」/流山市「ふるさと納税ワンストップ特例は確定申告や市民税・県民税申告をすると無効になります」

