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副業が赤字でも確定申告は必要?損益通算と還付の条件

副業が赤字でも確定申告が必要か、所得の種類と還付・繰越を確認する図

赤字だけでは申告義務はない。還付には申告が必要

給与と損益通算できるのは事業所得の赤字。雑所得の赤字は通算できない。

副業が赤字でも、納め過ぎた所得税が戻るかは所得の種類や給与などの所得で変わります。私はネットショップの開業1年目に23万円の赤字を記録しましたが、帳簿をまとめるのが面倒で申告せず、還付申告できる期間を過ぎてしまいました。同じ赤字でも、給与と相殺する場合と翌年へ繰り越す場合では、条件も書類も異なります。自分に必要な手続きを、所得の種類・赤字の金額・申告済みかどうかから判断できます。

この記事でわかること

  • 事業の赤字だけでは所得税の申告義務は生じないが、還付や繰越を受けるには申告が必要
  • 事業所得の赤字は白色申告でも給与と通算できる。雑所得の赤字は給与と通算できない
  • 給与などと通算しても残る純損失は、青色申告と継続した申告により原則3年繰り越せる
  • 申告義務がなく未申告なら、還付申告は対象年の翌年1月1日から5年間。申告済みなら更正の請求を確認

赤字の申告は、義務・還付・繰越を分けて考える

事業が赤字というだけで、所得税の確定申告義務は生じません。ただし、給与の受取状況やほかの所得などによっては申告が必要です。義務の有無と、申告して還付・繰越を受けられるかは別に考えます。

事業所得の青色申告は、一定のルールで帳簿を付け、税務署へ事前に申請して承認を受けて行う申告です。青色申告をしていない場合は白色申告となり、こちらも記帳と帳簿・書類の保存が必要です。

自分の状況所得税の考え方必要な確認
給与などがあり、事業所得が赤字事業の赤字をほかの所得の黒字と損益通算できる。白色申告でも対象再計算した税額より源泉徴収などで納めた税金が多ければ、申告して還付を受ける
事業の赤字を通算しても、純損失が残る青色申告なら、原則として翌年以後3年間へ繰り越せる赤字の年の第四表と、その後の連続した申告が必要
副業が雑所得で赤字その赤字を給与所得から差し引くことはできないほかの所得を含めて申告義務を判断する。青色申告の繰越制度も対象外

損益通算は、その年の赤字と黒字を相殺する計算です。純損失の繰越控除は、通算しても引ききれなかった分を翌年以降の所得から差し引く制度です。事業の赤字を給与と全額通算できたら、その赤字を翌年にも重ねて差し引くことはできません。

赤字の金額がそのまま戻るわけではありません。その年の所得税を計算し直し、給与などからあらかじめ引かれた税金(源泉徴収)や、前年の所得などをもとに前払いした所得税(予定納税)の合計が、計算し直した所得税額を上回れば、差額が戻ります。

給与から税金が引かれていても、所得から差し引く所得控除や、税額から差し引く税額控除を含めた計算結果によって、還付額は変わります。

いわゆる20万円ルールは、売上や支出の額だけで判断するものではありません。給与が1か所か、年末調整されているか、ほかに所得があるかも含めた申告義務は、副業の確定申告が必要な人・不要な人で確認できます。

消費税は所得税と別に確認

インボイス発行事業者に登録している人は、事業が赤字でも消費税の申告が必要かを確認してください。免税事業者が年の途中で登録した場合は原則として登録日から12月31日まで、もともと課税事業者だった場合は登録前を含む課税期間全体が対象です。

事業所得か雑所得かで、給与と通算できるかが変わる

通常の副業で給与との損益通算を考えるときは、副業が事業所得に当たることが前提です。雑所得の赤字は給与と通算できず、青色申告にもできません。開業届や青色申告承認申請書を出したことだけで、事業所得に決まるわけではありません。

帳簿と、継続して収益を得るための活動が判断材料になる

事業所得かどうかは、利益を得るための活動か、継続しているか、かけた労力、設備、生活状況などを踏まえ、一般的に事業といえるかどうかで判断されます。売上や赤字の金額だけで分ける一律の基準はありません。

国税庁の所得税基本通達35-2では、取引を記録した帳簿書類を保存していない場合は原則として業務に係る雑所得とし、収入が300万円を超え、事業と認められる事実がある場合を例外としています。

帳簿があれば必ず事業所得になるわけでもありません。収入がごく小さい場合や、例年赤字なのに改善のための営業活動などをしていない場合は、個別に判断されます。開業した年に売上が少ない・ゼロという理由だけで、区分が自動的に決まるものではありません。

私は開業届と青色申告承認申請書を出し、1年目の途中で商品が売れ始めたころからfreeeで帳簿をつけ、翌年以降は事業所得として申告しました。ただし、申告しなかった初年度の赤字について、税務上の事業所得に当たるかを確認できたわけではありません。

区分に迷う場合は、帳簿、契約・販売の記録、継続して収益を得るために行っていることを示せる資料を用意し、税務署に相談してください。

雑所得の赤字は、給与との通算とは分けて計算する

総合課税は対象となる所得を合計して税額を計算する方法、申告分離課税はほかの所得と分けて税額を計算する方法です。

総合課税の雑所得の赤字は、同じ年の総合課税の雑所得内で差し引けます。給与所得とは通算できません。

申告分離課税の先物取引に係る雑所得等も別の計算なので、通常の副業の赤字と混ぜて扱いません。

支出を集計するだけでは、税務上の赤字は決まらない

売上より支払いが多くても、その差額がすべて税務上の損失になるとは限りません。所得の計算では、売上とその年の必要経費を集計します。家計の支出や、別の年の経費になるものを分ける必要があります。

  • 仕入れた商品のうち、年末に残った在庫
    売れた商品の仕入れにかかった金額を売上原価といい、一般的には「年初の在庫+年間の仕入れ−年末の在庫」で計算します。商品を仕入れた金額を、そのまま全額その年の経費にはしません。
  • パソコンなどの固定資産
    原則として減価償却により各年の経費に分けます。少額資産などの例外もあるため、取得時期や金額に合った処理が必要です。
  • 前払い・未払いの費用や家計との共用費
    原則として、支払日だけで経費にする年を決めず、どの年の費用かを確かめます。私用分は必要経費にせず、共用費は事業上必要な部分を記録に基づいて区分します。

開業前の準備費用も、すべてを開業した年の経費にするわけではありません。税務上の開業費に当たるものと、商品・固定資産などを分けます。開業費の償却はよくある質問で説明しています。

領収書、請求書、契約書、入出金の記録と帳簿を照らし合わせると、何をいつの経費にしたかを確認できます。赤字で所得税が出ない年も、事業の記帳・帳簿書類の保存は必要です。

給与などと通算しても赤字が残る場合は、繰越の条件を確認する

青色申告の純損失の繰越控除で翌年へ持ち越せるのは、その年の給与などと損益通算しても引ききれなかった純損失です。通常の事業の赤字は、原則として翌年以後3年間の所得から差し引けます。

比べる点その年に全額通算できる通算後も純損失が残る
赤字を差し引く先その年の給与所得などの黒字その年に差し引き、残った分を翌年以後の所得へ
青色申告の必要性損益通算は白色申告でも可能通常の事業損失の繰越には青色申告が必要
第四表前年からの繰越損失もなければ、通常は不要繰り越す純損失を記載して提出
翌年の申告この赤字のために繰越の申告を続ける必要はない繰越控除を受けるには、その後も連続して申告

損失の年の第四表と、その後の連続した申告が必要

繰越控除を受ける場合は、赤字の年に、損失申告用の第四表を第一表・第二表と一緒に提出します。その後も連続して確定申告書を出す必要があり、赤字の年に1回申告するだけでは条件を満たしません。

青色申告をするための承認申請は事前に必要です。期限は原則、適用したい年の3月15日で、土日祝に当たる場合は翌平日です。1月16日以後に開業した場合は開業日から2か月以内です。赤字が分かってから過去年分の申請をすれば使える制度ではありません。

現行制度では、純損失の繰越控除に「赤字の年の期限内申告」は求められていません。ただし、繰り越せる期間が延びるわけではなく、連続した申告も必要です。未申告の年や、翌年以後に申告済みの年がある場合は、提出する年分と訂正手続きを税務署に確認してください。

白色申告や災害による損失には別の条件がある

白色申告でも、変動所得の損失や被災した事業用資産の損失は例外的に繰り越せます。通常のネットショップなどの営業赤字とは区別します。また、特定非常災害による一定の純損失には、繰越期間を5年とする特例があります。

翌年の所得が減っても、赤字の金額が戻るわけではない

ここからは私の実例とは別の仮例です。1年目は青色申告で、給与などのほかの所得がなく、23万円の純損失を繰り越すとします。2年目の青色申告特別控除後の事業所得が50万円なら、繰越控除を適用すると23万円を差し引いた27万円をもとに税額を計算します。

2年目は別の給与所得などに所得控除をすべて適用済みで、所得税率5%、住民税の所得割10%と仮定すると、税額差の目安は所得税1万1,500円と翌年度の住民税2万3,000円、合計3万4,500円です。復興特別所得税は含みません。実際の差は、ほかの所得・控除・税率によって変わります。

赤字の年に申告しなかった場合も、後から要件を満たして繰越控除を受けられることがあります。

23万円の赤字を申告しなかった私の記録と試算

私は2020年にBASEでアパレルのネットショップを開業しました。当時は勤めていて給与があり、開業時に青色申告承認申請書を出していました。市役所の税務窓口に3年いたので、損益通算の仕組みも知っていました。

それでも初年度は申告しませんでした。申告義務がなく、1年分の帳簿をまとめて申告書を作るのが面倒だったからです。

翌年はネットショップの売上が814万円まで上がり、自分で事業所得の申告をしました。その年の決算書は別の記事で公開していますが、初年度の赤字は申告しないままでした。

申告義務がなく未申告だった2020年分については、通常の還付申告期間は2025年12月31日で終了しています。2026年10月現在、私のこの年分は、その期間を過ぎています。

23万円は私の記録上の赤字で、税務上の損失額は未確認

私の記録では、1年目の売上63万3,760円に対し、仕入51万円、コンサルティング費20万円、広告費など約15万3,760円で、差し引き23万円の赤字でした。2020年末に売れ残った商品在庫はありませんでした。

当時の給与収入は年500万円ほどでした。ただし、2020年分は申告しておらず、当時の経費処理がすべて適切だったか、副業が税務上の事業所得に当たるかは未確認です。記録の差額23万円を、確定した税務上の損失として示しているわけではありません。

約4万6,000円は、所得税と翌年度の住民税を合わせた試算

23万円がすべて事業所得の損失として認められ、給与所得と全額通算できたと仮定します。所得税率10%、住民税の所得割10%で単純計算すると、所得税の減少額は約2万3,000円、翌年度の住民税の減額は約2万3,000円で、合計約4万6,000円です。

これは実際に受けた還付額ではありません。復興特別所得税は含めず、所得控除や住宅ローン控除などの税額控除によっても金額は変わります。給与収入が年500万円ほどだったことだけで、実際の税率や還付額は決まりません。

この仮定なら、23万円は当年の給与所得と全額通算されるため、翌年へ繰り越す純損失は残りません。必要なのは当年の損益通算の申告であり、翌年への繰越ではありません。

赤字を申告するための資料と作成手順

事業所得の赤字を申告する場合は、対象年の源泉徴収票、帳簿、売上・経費の証拠書類を用意します。提出済みの申告書や青色申告の承認状況、過去の繰越損失が分かる資料も、書類の要否を判断するために使います。

決算書で損失額を出し、必要な申告書を作る

  1. 1年分の記帳と決算をする売上と経費を集計し、年末在庫や減価償却などを反映します。青色申告なら青色申告決算書、白色申告なら収支内訳書を作ります。
  2. 給与など、その年のほかの所得を合わせる源泉徴収票などから給与所得や源泉徴収税額を入力し、事業所得の赤字との損益通算を行います。青色申告特別控除は控除前の所得額が上限なので、その控除で赤字を作ったり増やしたりはできません。
  3. 繰り越す純損失がある場合は第四表を作る青色申告で損益通算後も純損失が残る場合は、第四表(一)(二)を第一表・第二表と一緒に提出します。その年に全額通算でき、前年からの繰越損失もなければ、通常、第四表は不要です。
  4. 対象年に合う手続きで提出する未申告なら申告書を提出し、申告済みなら更正の請求などの訂正手続きを確認します。マイナンバーカードを使うe-Taxのほか、書面でも提出できます。純損失を繰り越す場合は、その後も連続して申告します。

必要な書類は、国税庁の対象年分の手引きで確かめられます。給与所得と事業所得の赤字だけを通算し、全額差し引ける場合は、通常、「損益の通算の計算書」も不要です。国税庁の申告書作成手引きでは、この場合は第一表の所得金額をそのまま合計すると案内しています。

過去年分の作成だけか、今後の記帳も続けるかでソフトを比べる

申告書と青色申告決算書・収支内訳書は、国税庁の確定申告書等作成コーナーで無料で作れます。ただし、書類のもとになる1年分の記帳は、作成コーナーではできません。過去年分だけ作る人は、対象年の書類を作れるか確認できます。

今後も記帳を続けるなら、必要な申告書に対応しているか、口座・カード明細をどう取り込むか、操作画面が使いやすいかを比べます。会計ソフトを使えば、記帳した数字を決算書などに反映できます。

私も、初めて扱う取引の記帳や年度末処理、減価償却などは、ネットやfreee内のヒントで調べて判断していました。

私はfreee会計で帳簿をつけ、決算書と申告書を作ってe-Taxで提出していました。freee会計は、繰り越す純損失がある場合の第四表に対応しています。

総合課税の譲渡所得や一時所得などがある場合は別途計算書が必要になることがあり、freee会計の対応帳票一覧では同計算書に非対応と案内しています。該当する所得がある場合は、国税庁の手引きと利用中の製品のヘルプで必要書類を確認してください。

マネーフォワード クラウド確定申告も、第四表と繰越損失の入力に対応しています。第四表は申告内容に応じて作られ、赤字なら必ず必要になるわけではありません。修正申告用の第一表など未対応の帳票もあるため、必要な書類への対応と機能・料金を確認して比較できます。

freee会計とマネーフォワード クラウド確定申告で事業所得をアプリから電子申告するには、有料プランの契約が必要です。

出典

未申告か申告済みかで、手続きと期限を分ける

過去年分の赤字に気づいたら、その年の申告書をすでに出しているかで手続きが変わります。還付申告の5年と、純損失を繰り越す3年は別の期間です。

申告の状況手続き期間・注意点
申告義務がなく、未申告納め過ぎた所得税があれば還付申告対象年の翌年1月1日から5年間。通常の確定申告期間を過ぎただけで期限違反になるわけではない
申告義務があったのに、未申告期限後申告早めに提出。納める税金がある場合は、無申告加算税や延滞税がかかることがある
申告済みで、赤字や経費を入れ忘れた申告した税額が多すぎる、還付額や純損失が少なすぎる場合は、税務署に訂正を求める「更正の請求」を検討原則、法定申告期限から5年以内。申告義務がない人の還付申告は、その提出日から5年以内

申告義務がある場合の通常の期限は、原則として翌年3月15日です。土日祝に当たる場合は翌平日になります。義務のない人の還付申告とは、提出できる期間が異なります。

2021年分を、申告義務がなく未申告のままにしている人へ

国税庁の案内によると、通常の還付申告期間は2022年1月1日から2026年12月31日までです。e-Taxで提出する場合は、年末の利用可能時間も確認してください。

2020年分の通常の期間は2025年12月31日で終了しています。申告済みの人の更正の請求や、純損失の繰越期間に、この日付をそのまま使うことはできません。

純損失を繰り越したい場合は、赤字の年の青色申告・第四表と、その後の連続した申告が必要です。現行制度では期限後の提出でも繰越控除を受けられることがありますが、通常の繰越期間は翌年以後3年間です。還付申告に5年あることから、繰越期間も5年あるとは判断できません。

申告済みの年を訂正するときは、赤字の根拠となる帳簿・領収書なども必要です。未申告の年が複数ある場合や、繰越先の年を申告済みの場合は、年分ごとの提出状況を税務署に伝えると、必要な手続きを相談できます。

所得税を申告しない年の住民税・所得証明

所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告まで不要とは限りません。所得税の申告書を提出すれば、通常は別途住民税の申告をする必要はありませんが、提出しない場合は市区町村の案内で判断します。

会社から給与支払報告書が出ている人と、給与がなく市区町村が所得を把握していない人では状況が異なります。無収入や赤字でも、国民健康保険料の軽減判定、非課税証明書の発行などのために、所得の申告を求められることがあります。扶養の情報などで不要になる場合もあるため、全員が一律に申告するわけではありません。

住民税の申告が必要かを判断する手順は、住民税の申告が必要な人で説明しています。証明書を保育・融資などに使う場合は、必要な年度・書類を提出先に確認し、発行条件は市区町村に問い合わせてください。

事業所得の赤字を給与と損益通算すると、給与だけの場合より住民税額が下がることがあります。普通徴収を選べば必ず勤務先に知られない、とはいえません。勤務先への通知との関係は、普通徴収でも副業を知られる場合を参照してください。

よくある質問

売上がゼロでも、経費を申告して給与と通算できますか?

売上がゼロという理由だけでは決まりません。活動が事業所得に当たり、税務上の必要経費を計算して損失が出れば、給与と損益通算できる場合があります。開業準備の支出や商品・固定資産などが、その年の経費になるかも別に判断します。雑所得の赤字は給与と通算できません。

白色申告でも赤字は繰り越せますか?

通常の事業の赤字は、白色申告では繰り越せません。例外として、変動所得の損失や被災した事業用資産の損失は繰り越せます。通常の事業損失を青色申告の制度で繰り越すには、事前の青色申告承認申請が必要です。なお、その年の給与との損益通算は白色申告でも可能です。

赤字は何年間繰り越せますか?

通常の副業の事業損失は、青色申告などの要件を満たせば、原則として翌年以後3年間繰り越せます。その間に差し引けなかった純損失は、4年目以降には控除できません。

特定非常災害による一定の純損失には5年の特例があります。還付申告を提出できる5年間とは別です。

赤字の年に申告せず、翌年も赤字でした。どうすればよいですか?

青色申告の繰越控除には、損失が生じた年の申告と、その後の連続した申告が必要です。翌年も通算後に純損失が残る場合は、その年分にも第四表を付けます。通常、各年の純損失はそれぞれ翌年以後3年間繰り越し、古い年分から差し引きます。未申告の各年について、青色申告の承認と申告済みの年分を整理し、提出・訂正の手続きを税務署に確認してください。

開業前にかかった準備費用も赤字に含めてよいですか?

開業のために特別に支出した準備費用のうち、税務上の開業費に当たるものは、後の年にも分けて経費にできる「繰延資産」として扱います。

60か月で均等に経費にする方法(均等償却)か、まだ経費にしていない額の範囲で、経費にする年と金額を選ぶ方法(任意償却)で処理します。任意償却なら、赤字の年に全額を経費にせず、黒字の年に経費にすることもできます。

ただし、商品、固定資産、返還される敷金、前払いの家賃などは、それぞれの性質に応じて別に処理します。開業前の支出をすべて開業費にするわけではありません。

前年は黒字でした。翌年への繰越ではなく、前年と相殺できますか?

できる場合があります。前年も青色申告をしていれば、純損失の繰戻し還付で前年分の所得税の還付を受けられることがあります。赤字の年の申告書を原則として期限内に提出し、同時に繰戻し還付請求書を出すことが必要です。繰戻しで使った純損失を、所得税で翌年にも重ねて繰り越すことはできません。

住民税には同じ繰戻し還付はなく、繰越控除を使う場合は別途申告書や明細書の提出が必要になることがあります。所得税の要件は税務署、住民税の必要書類と期限は市区町村に確認してください。

まとめ

申告していない赤字や、申告に入れ忘れた経費がある場合は、対象年の源泉徴収票・帳簿・提出済み申告書の控えをそろえることを勧めます。対象年と申告の状況を確かめると、未申告分の提出か、申告済みの内容の訂正かを判断できます。所得の種類や経費に迷う部分も、その資料を使って税務署に相談できます。

※私は税理士ではありません。掲載内容は2026年10月20日に確認した情報です。対象年や個別の事情によって適用が異なります。所得税は税務署や税理士、住民税は対象年度の住民税を担当する市区町村に確認してください。

出典

住民税は横浜市の申告案内などを参照し、対象年度の住民税を担当する市区町村で条件を確かめてください。

この記事を書いた人

たっくー

たっくー

元税務担当
確定申告受付1,000件以上
投資14年

元・自治体職員。税務の窓口で確定申告を1,000件以上受け付けてきました。今は会社員です。副業のネットショップでは、年間売上約814万円を経験しました。ブログも運営し、投資歴は14年です。こうした実体験をもとに、副業や税金、家計管理など、お金のことを書いています。

※個別の税務相談は、税理士や税目に応じた担当窓口へ。